コーポレートサイトは簡単に言い換えると、企業のホームページや公式サイトのこと。
継続的にコンテンツが増えるオウンドメディアやブログとは異なり、更新頻度は少ないですが、企業や製品に関する基本情報や重要事項が掲載されているWebサイトです。
コーポレートサイトに集客するための施策として欠かせないのがSEO対策。今回、コーポレートサイトで行うべきSEO対策をご紹介します。
SEO対策とは?
多くのコーポレートサイト担当者はWebデザインにばかり注目しがちですが、デザインを改善しても、そもそもアクセスがなければ見てもらえません。
コーポレートサイトにアクセスを集める方法として必ず取り組んでおきたいのがSEO対策です。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と言います。検索エンジンでそのキーワードを検索したときに、1ページ目の上位に表示されるように行うのがSEO対策です。
SEO対策の基本的なやり方
SEO対策の基本的な手順は次のとおりです。
- 目的の明確化・テーマ選び
- SEOキーワードを選定
- キーワードを取り入れたコンテンツ作成
- アクセス解析
- コンテンツリライト
もはやWebサイトのSEO対策は必須事項。競合サイトに勝てるよう、定期的にコンテンツを増やせるオウンドメディアが特に注目されています。
しかしコーポレートサイトでも正しくサイトを制作したり、コンテンツを増やしたりできれば、競合のオウンドメディアを抜いて上位表示されることは可能です。
SEO対策の注意事項
初心者がSEO対策を行ううえで必ず注意しておきたいことが4つあります。
戦略を考えず安易にキーワードを選ぶ
SEO対策ではキーワード選びが勝敗のカギを握ります。
もし「検索ボリュームが多いから」という理由だけでそのキーワードを選んでしまうと失敗するかもしれません。なぜなら、競合も検索ボリュームのキーワードを狙っている可能性が高いからです。
逆に「検索ボリュームが少なければ競合も少ないだろう」とニッチすぎるキーワードを選んでも、今度は検索する人が少なすぎて、利益に繋がりません。
キーワードを選ぶ際には、しっかりと戦略を練り、仮説や根拠を明確にしたうえで選ぶ必要があります。
サイトのテーマと関係のないコンテンツをやみくもに増やす
SEO対策はただ単にコンテンツを増やせば良いものでもありません。
たとえばBtoB向けのITツールを提供している場合、社員の紹介や日記など、内輪的なコンテンツは需要が無いでしょう。またBtoC向けの情報もサイトのテーマとズレています。
こうしたコンテンツを増やしてしまうと、サイト全体の評価を落としかねません。
ブラックハットSEOと呼ばれる対策をしてしまう
ブラックハットSEOとは、不正な手法によるSEO対策のこと。
今となっては少なくなってきましたが、SEOの知識が浅い人や、ひと昔前のSEOの知識からアップデートできていない人は、ブラックハットSEOをしてしまう危険性があります。
現在、ブラックハットSEOはペナルティの対象です。対策が無効化されるだけでなく、順位が大幅に下がる、圏外になってしまうかもしれません。以下の記事も参考にしてみてください。
また、コンテンツが溢れかえる現代において注意しておきたいのが重複コンテンツ・コピーコンテンツです。
他サイトのコンテンツとの類似率が50〜60%以上になると、コピーコンテンツと判断されてペナルティを受けやすくなります。実際にはコピペをしていなくても、類似率チェックはしておきましょう。
コーポレートサイト・公式サイトのSEO内部対策
SEO内部対策は、タイトルタグやメタディスクリプションなど今すぐできる施策が多いです。
中には直接的にSEOに影響しない対策もありますが、長い目で見ると順位が上がりやすくなったり、PV数が増えたりなど、間接的にSEOに良い影響を与えます。
EATを意識したコーポレートサイト作り
Googleが定めた検索品質評価ガイドラインには「EAT」という項目があります。
- E: Expertise(専門性)
- A: Authoritatives(権威性)
- T: Trustworthiness(信頼性)
そのコーポレートサイトが扱うテーマに精通しているか、運営者や監修者はそのテーマの専門家であるか、第三者から高い評価を受けているかなどが、SEOに大きな影響を与えます。
コーポレートサイトを制作する際には、EATそれぞれの項目を満たすことを意識してみましょう。
構造化データマークアップの実施
構造化データマークアップとは、コーポレートサイトの内容をGoogleに教えるためにHTMLで書かれた構造化データにタグ付けをすることです。
するとGoogleの検索エンジンがサイトのコンテンツ内容を認識しやすくなるだけでなく、検索結果にリッチスニペットが表示されることがあります。
SEOに直接的な影響はないものの、ユーザーの利便性向上やクリック率アップなどを通して、結果として高評価につながる施策です。
常時SSL化
常時SSL化とは、簡単に言えばサイトURLの「http://〜」を「https://〜」に変えること。
コーポレートサイトでは顧客の個人情報やカード情報を扱うこともあり、しっかりとしたセキュリティ対策が求められます。
常時SSL化は、Web上のデータを暗号化して、フィッシング詐欺や公共Wi-Fiでのデータ抜き取りなどの被害から守る対策です。
常時SSL化はレンタルサーバー、自社サーバー問わず、SSLサーバー証明書に対応しているサーバーから設定できます。
現在、検索結果の上位はほぼすべて「https」になっているほど、SEO対策の中でも重要度・優先度が高いと言えるでしょう。
サイト名のSEOキーワード対策
ユーザーは自分の悩みや課題に関するキーワードを検索し、Webサイトにたどり着きます。
ユーザーの悩みに対して、自社が解決方法を提供していることを伝えるために、サイト名にはSEOキーワードを入れるようにしましょう。
たとえば企業名が「肉屋太郎」である場合、サイト名には「肉屋太郎」というキーワードを入れるはずです。しかし、このキーワードで検索する人は少なく、またユーザーの抱える悩みや課題も不明確です。
そこで「業務用卸食材 肉屋太郎」や「お惣菜ショップ 肉屋太郎」にしてみましょう。それぞれターゲット顧客がわかりやすくなりますよね。
「業務用 肉」「お惣菜 肉」といったキーワードで検索するターゲット顧客に見つけてもらいやすくなるでしょう。
メタディスクリプションの対策
メタディスクリプションとは、100〜160文字程度の文章で表される、そのページの要約や概要のようなもの。メタディスクリプションを設定することで、検索結果画面でタイトルの下にスニペット表示されます。
以前は検索順位に影響がありましたが、アップデートにより直接的な影響はなくなりました。しかし、メタディスクリプションをきちんと設定すべき理由はあります。
- そのページの内容がすぐにわかる
- 内容がわかることでクリック率が上がる
- クリック率が上がればSEOの評価が高くなる
絶対に必要な対策ではないものの「やらないより、やった方が良い」対策だと言えるでしょう。
最適な内部リンクの設定
Googleのロボットはリンクを辿りながらコーポレートサイトにたどり着き、またリンクを辿りながらサイト内を巡回します。そのため、コーポレートサイト内の随所に最適な内部リンクを設定し、Googleのロボットが巡回しやすい環境を作らなければなりません。
具体的には、次のようなリンクを設定しましょう。
- サイトマップ作成
- パンくずリストの設置
- アンカーテキストへの適切な文言入力
- 関連性の高いページへのリンク
サイト内のページとページを行き来しやすいリンクを張り巡らせることで、Googleのサイトテーマへの理解を促せるでしょう。また「1ページだけなぜか認識されない」という事態も防げます。
ページの表示速度改善
Googleは、ページの表示速度がSEOに影響を与えることをはっきりと明言しています。ページの表示速度が極端に遅いWebサイトは、ユーザーが利用しにくいと判断しているのです。
そこでページの表示速度が十分早いかを確認し、遅ければ改善をしましょう。改善には主に次のやり方があります。
- 画像の容量を軽くする
- CSSやJavaScriptの記述を圧縮する
- キャッシュを残して同ページの速度を高速化
- サーバーでサイトのデータを圧縮する
- JavaScriptやjQueryなど大きなファイル処理は最後に行うように設計する
表示速度はGoogleサーチコンソール確認できるため、定期的に確認しておきましょう。
モバイルユーザビリティの改善
モバイルユーザビリティとは、簡単に言えばスマホでの見やすさ・使いやすさのこと。
PCよりスマホがメインの使用デバイスとなった今、スマホに対応したモバイルフレンドリーなコーポレートサイトは、スマホでの検索で上位表示されやすくなっています。
現状、ほとんどのサイトはモバイルフレンドリー化していますから、また対策をしていないサイトは必然的に順位が落ちることとなるでしょう。
モバイルユーザビリティを改善するには、まずGoogleサーチコンソールからエラー項目を確認します。指標は次の3つです。
- 視認性:画面サイズに合ったページサイズやフォントサイズに調整されているか
- 操作性:指でタップされることを前提にしたボタンやリンクになっているか
- 互換性:スマホ、PC、タブレットなどのデバイスで利用できるか
何かエラー項目があれば、その項目に対する改善を行いましょう。
記事コンテンツ作成
たとえば、あなたがユーザーであればどちらのサイトに何度も訪れたくなるでしょうか?
【A】企業に関する基本項目(会社概要、事業内容、理念・ビジョン・お問い合わせ等)しか掲載されていないコーポレートサイト
【B】基本項目に加えて、週に2本、定期的にコラムを配信しているコーポレートサイト
ほとんどのユーザーは【A】は一度訪れたら、それ以降用事や調べ物があるときにしか訪れなくなるはずです。
対して【B】は、配信されるコラムを読むために、ブックマークをして何度か訪れるかもしれません。また各コンテンツでしっかりとキーワードを選定して記事を書くことで、集客できるキーワードが増えていきます。
【B】のコーポレートサイトのように、ユーザーの役に立つ記事コンテンツを継続して発信することは、ユーザビリティの向上とSEOの両方に効果的なのです。だからこそ、多くの企業が集客を目的としてオウンドメディアを運営しているんですね。
分析・改善
コーポレートサイトを制作したら、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを活用して分析と改善を行います。それぞれのツールで参照できるデータはこちら。
【Googleアナリティクス】
- PV数:サイト内のページ閲覧回数(重複あり)
- セッション数:サイトの合計アクセス数(重複あり)
- UU数:実質的なアクセス数(重複なし)
- 平均セッション時間:ユーザーがサイト内に滞在した平均時間
- 平均滞在時間:ユーザーがそのページを閲覧した平均時間
【Googleサーチコンソール】
- 検索クエリ(キーワード)
- サイトの掲載順位
- 検索結果画面でのクリック数、クリック率
- 被リンク
- モバイルユーザビリティ
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールでは分析できるデータが異なるため、目的に合わせて両方を活用していきます。
分析結果を照らし合わせ、コーポレートサイトの改善策を考えていきましょう。
コーポレートサイト・公式サイトのSEO外部対策
コーポレートサイトでできる外部対策は主に「外部リンク対策」です。これは外部から質の高い被リンクをもらい、コーポレートサイトの信頼性を高めていく対策のこと。
ただ「リンクを貼ってください」と頼み込むのではなく、コーポレートサイトを見たユーザーがリンクを貼りたくなるような仕組みを作ります。
RSSフィードの設定
RSSはWebサイトの更新情報を配信するフィードのことで、この中には更新されたページのリンクと概要が記述されています。
RSSフィードの配信自体はSEOに直接的な影響はありませんが、サイトマップを送信することでGoogleのクローラビリティが向上します。
よりスムーズにコーポレートサイトの内容を理解してもらえれば、より早くSEO効果が見え始めるため、次のSEO対策にもスムーズに取り組めるでしょう。
また、RSSフィードボタンを設置しておくと購読者を増やしやすくなります。
シェアボタンの設置
コーポレートサイトにSNSや自分のブログへのシェアボタンを設置することも有効です。
シェアボタンの設置自体もSEOに直接的な影響はありません。しかしユーザーのシェアを促すことができ、被リンクの獲得につながるでしょう。
しかし、シェアボタンを押してもらえるかどうかはユーザーの意思であり、サイト運営者側ではコントロールできません。
SNS等での告知・拡散
シェアボタンでのシェアを待つよりも、SNSでコーポレートサイトの告知や拡散を狙う方が効率的でしょう。
たとえばコラムを更新すれば、SNSにコラムのリンクをつけて投稿します。それの投稿を見たフォロワーはリンクをタップしてコーポレートサイトにアクセスしたり、あるいはシェアボタンで拡散したりといったアクションをするでしょう。
実はSNSに貼られたリンクには、SEOの被リンクの効果はありません。しかし拡散されれば、SNSからの流入は増えます。
また、SNSは「バズ」が起こりやすいプラットフォームです。バズることでより多くの人に言及され、注目され、そしてアクセス数が増えます。アクセス数増加に応じてSEOの評価も高くなるでしょう。
コーポレートサイトもSEO対策を徹底しよう!
コーポレートサイトの制作やリニューアルをする際には、デザインやUX・UIだけでなく、SEO対策も徹底してみてください。
検索結果の1ページ目(10位以内)に表示されるだけでも集客力は強くなりますし、1位〜3位以内に入ることができれば、1日の集客数は桁違いになります。
SEOに強いコーポレートサイトを目指していきましょう。