コーポレートサイトとは「公式ホームページ」や「公式Webサイト」のことで、会社の“顔”としての重要な役割があります。
では、コーポレートサイトが役割を果たすためには、どんなコンテンツを載せるのが良いのでしょうか?
ここではコーポレートサイトには絶対に入れておきたい5つのコンテンツと、他社との差別化をはかる7つのコンテンツをご紹介します。
コーポレートサイトにもコンテンツマーケティングは応用できる!
コーポレートサイトの目的
コーポレートサイトの最大の目的は、消費者や求職者、または株主や投資者に向けて、自社がどんな企業なのかを知ってもらうことです。
- 自社の製品・サービスを掲載し、どんな事業を行っているかを伝える
- スタッフブログやコラムを掲載し、社風を伝える
- おしゃれな見た目・デザインにし、企業のイメージを伝える
コーポレートサイトは見込み客にアプローチできるだけでなく、ブランディングや採用活動にも活用できます。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、見込み客や顧客向けのコンテンツを作成し、公開・配信することで、啓蒙活動や集客、顧客育成を行っていくこと。
近年ではオウンドメディアによって情報を発信し、コンテンツマーケティングを行う例が多いです。
いくらでもコンテンツを増やせるオウンドメディアは、コンテンツマーケティングにぴったりの媒体だと言えます。しかし一方で、コンテンツ量や継続性が求められ、整った運営体制がないと成功しにくいもの。
継続的に運営できそうにない場合、コーポレートサイトでも十分コンテンツマーケティングの効果を得られるでしょう。
コーポレートサイトのコンテンツを充実させるメリット
では、コーポレートサイトのコンテンツを充実させ、コンテンツマーケティングを行うとどのようなメリットがあるのでしょうか?
SEOの強化
SEOはドメイン単位で評価されますが、コーポレートサイトと別にオウンドメディア用のドメインがあった場合、SEOの評価が分散されてしまいます。
コーポレートサイトにたとえば「ブログ」や「コラム」といった形でコンテンツを掲載すれば、コーポレートサイトそのもののSEOを強化できるのです。
集客力アップ
SEOの強化とも関連しますが、コーポレートサイトへの流入が増えれば、それだけ集客力アップが期待できます。特にコーポレートサイトがECとしての役割も持っている場合、売上アップ・利益率アップなどにもつながるでしょう。
人材採用に活きる
「社長挨拶」や「社員の声」などを掲載しているコーポレートサイトも増えてきました。これらは決して自己満足で載せているのではなく、求職者や新卒を対象にしたコンテンツです。
充実したコンテンツを載せることで社風を感じてもらいやすくなり、より優秀な人材の発掘や確保、さらに離職率の低下も期待できます。
コーポレートサイトに必須のコンテンツ5つ
まずはコーポレートサイトに“必ず載せておきたい”必須コンテンツを5つご紹介します。
コーポレートサイトの目的を果たすためには最低限必要なコンテンツなので、足りない場合は早急に用意しましょう。
会社概要
会社概要とは、企業の基本情報に関するページです。主に登記簿謄本に掲載されている次の項目を掲載します。
- 会社名(正式名称)
- 設立日
- 事業内容
- 資本金
- 代表取締役
- 役員
- 本社所在地
- 電話番号、FAX番号
表にして見やすくまとめると良いでしょう。
また会社概要は誰もが参考にするページですので、信頼性が求められています。内容に間違いがないかの確認に加え、何か変更があれば速やかに修正しましょう。
製品・サービス紹介
自社がどんなビジネスを行っているのかをわかりやすく伝えるために必要なコンテンツが、製品・サービス紹介です。
自社の製品・サービスの特徴・スペックに加え、利用者にとっての魅力(ベネフィット)や向いている人なども記載すると、製品の売り上げにもつながりやすくなります。
扱っている製品・サービスが多い場合には1ページにまとめるのではなく、リンクを設置して個別ページに移動できるようにすると良いでしょう。
最新情報
自社のプレスリリースやニュースリリースといった最新情報も、トップページから見つけやすい位置に掲載します。
コーポレートサイトは一度完成するとなかなか更新されませんが、そんな中でも更新され続けるのが最新情報です。
更新がないサイトは外部からは稼働しているかどうかわからない状態でもあるため、最新情報はなるべく更新頻度を高めるようにしましょう。
採用情報
求人サイトやハローワークに掲載できる情報は限られており、十分に自社の魅力を伝えられないかもしれません。そこで、コーポレートサイトには必ず採用情報も入れるようにしましょう。
採用情報では、どんな職種や業務内容があるのかを細かく明記することに加え、エントリーボタンの設置、さらに自社で働く魅力や福利厚生なども掲載すること。
より優秀な人材を確保したいのなら、以下の差別化コンテンツで紹介する「代表者メッセージ/スタッフ紹介」と組み合わせるのがおすすめです。
よくある質問/お問い合わせフォーム
会社概要に電話番号を載せていても、わざわざ電話をかけてくるユーザーはごく少数です。ユーザーに何か困ったことやわからないことがあったときのために、よくある質問とお問い合わせフォームを設置しましょう。
最低でもお問い合わせフォームがあれば問題ありませんが、ユーザーがお問い合わせする手間・従業員がお問い合わせ1つ1つに対応する手間を考えると「よくある質問」がとても便利。
「よくある質問」はQ&A方式にすると見やすく、ユーザーの利便性も向上します。
他社と差別化できるコーポレートサイトのコンテンツ7つ
次に、他社と差別化してより集客力やナーチャリング効果を高めるコンテンツを7つご紹介します。
必ず用意すべきものではありませんが、コンテンツマーケティングの観点から見ると"無いよりかは有った方が断然良い”コンテンツばかりです。
代表者メッセージ/スタッフ紹介
ユーザーによっては、「代表者」は遠い雲の上のような存在に見えるかもしれません。そんな代表者に親近感を持ってもらうために、そして企業の理念をより理解してもらうためには、代表者メッセージがあると良いでしょう。
さらに、主要スタッフの紹介とスタッフからのメッセージがあると、社内の雰囲気が掴みやすくなります。採用活動にも良い影響を与えてくれるため、ぜひ代表者・スタッフの顔写真と共に掲載してみてください。
実績/導入事例
自社の製品・サービスの実績はぜひ積極的に掲載したいコンテンツ。販売実績や導入事例など、実績が多ければ多いほど信頼性も高まります。
特に導入事例では、もし誰もが知っているような有名企業の事例があれば詳細に紹介してみても良いでしょう。
文字だけでなく画像やグラフ、数値なども活用して、見やすくわかりやすい実績紹介を心がけましょう。
お客様の声
「お客様の声」は言い換えると「外部評価」です。この外部評価があることで、企業の信頼性はより一層高まります。
お客様の声は実際の利用者にインタビューをすれば集められます。直接のインタビューのほか、メールでの簡易的なインタビューでも構いません。
あるいはSNSで口コミを集める、コーポレートサイトにレビュー評価機能を搭載してユーザー自らレビューしてもらうといった方法も良いでしょう。口コミやレビューはリアル感が高まります。
沿革
沿革とは「移り変わり」のことで、会社の創立時から現在まで辿ってきた道をコンテンツとして掲載します。
特に創立してから何十年も経っている老舗企業はもちろん、創立してから年数は浅いが大きな変化を遂げた企業、大きな実績を残した企業にもおすすめ。
年表とその年に起こったこと・変化したことを写真と共にまとめ、企業としての歴史を刻んでいきましょう。
IR情報
IRとはインベスター・リレーションズのことで、IR情報は企業がステークホルダーに向けて経営・財務状況や業績動向などの情報のこと。
上場企業なら「IR情報」のコンテンツページを設け、株主や投資家向けの情報を公開しましょう。
また中には、代表取締役から投資家に向けたメッセージを発信し、投資家向けのブランドイメージを高めている企業も多いです。
記事コンテンツ
消費者向けに記事コンテンツを掲載するコーポレートサイトも増えています。
この「記事コンテンツ」では、自社の製品やサービス、あるいは事業内容に関連のある情報や役に立つ情報を記事化したもの。「〇〇とは何か?」から「〇〇の使い方」まで、消費者が読んで「知ってよかった!」と思える情報をコンテンツ化していきましょう。
記事コンテンツは定期的に増やせるほか、SEO対策にも有効なので、ぜひとも取り入れたいコンテンツです。
スタッフブログ
社内スタッフや採用向けに、スタッフブログのページを追加するのも良いでしょう。スタッフブログは社内やそこで働く人の雰囲気を、ダイレクトにユーザーに伝えられるコンテンツです。
業務に関する内容のほか、スタッフの趣味やちょっとした学び、スタッフ同士の絡みやイベントなどが掲載することで、ユーザーにリアルな“社内の様子”を感じ取ってもらえます。
消費者が読んでも楽しめるような内容なら顧客に親近感を持ってもらうこともでき、ファン化をはかれるかもしれません。
コンテンツが豊富なコーポレートサイトの事例
どんなコーポレートサイトにすれば良いかわからないときには、コンテンツが豊富なコーポレートサイトを参考にしてみましょう。
ここではユニークな施策をしているコーポレートサイトをご紹介します。
株式会社LIG
株式会社LIGのコーポレートサイトは、おしゃれさとユニークさがかけ合わさった見た目。それだけでなく「LIGブログ」というページで日々スタッフによる面白くて役に立つコンテンツが更新されています。
メンバー紹介ではそれぞれ写真が掲載され、さらに個別ページにいくとそのスタッフの自己紹介や制作実績など、スタッフ1人1人の魅力に焦点を当てているコーポレートサイトです。
株式会社日立ハイテクノロジーズ
株式会社日立ハイテクノロジーズといえば電子機器。コーポレートサイトでは、半導体について詳しく解説している「半導体の部屋」という独自コンテンツがあります。
「半導体の部屋」では個別解説ページも設けられ、まるでオタクなさがらの詳細な解説に脱帽。機会は少ないかもしれませんが「半導体について調べるなら日立のサイト」と言えるくらい、コンテンツが充実しています。
参考:https://www.hitachi-hightech.com/jp
キユーピー株式会社
キユーピー株式会社のサイトは、実は第7回Webグランプリ「コーポレートサイト賞」の受賞経験のあるサイト。
実はコーポレートサイトと商品情報を掲載したサイトを分けており、コーポレートサイトには製品紹介の代わりに、活動・取り組みの紹介に力を込めています。
さらにサステナビリティに関する情報の掲載や英語サイトの充実など、グローバルも視野に入れたコーポレートサイトです。
コーポレートサイトのコンテンツを充実させよう
コーポレートサイトにトップページや会社概要など少ない情報しか載せていない場合、そのコーポレートサイトは目的を達成できていないかもしれません。
Webの普及で「コンテンツ」が重要視されている現在、充実したコンテンツが載っているコーポレートサイトが求められています。
また、充実させるだけでなく定期的に見直したり、更新を続けたりすることも忘れてはいけません。よりコンテンツを充実させ、ブックマークしたくなるようなコーポレートサイトを作りましょう。