知識を補うために調べ物をするときはネット記事、商品の詳細を知るにはレビュー記事、ニュースを見るときは新聞記事…これらはすべて「記事」と一括りにされがちですが、実はさまざまなタイプの記事があります。
どんな記事を書く場合でも、その記事が読まれることが大切。今回はさまざまなタイプの記事の書き方やコツについて解説します。
各タイプの記事の書き方
ライターの場合、自分がどのタイプの記事を書くのかを把握し、そのタイプに合ったトンマナで書かなければいけません。
編集者の場合でもどのタイプの記事に仕上げたいのかゴールを明確にしたうえで、編集していく必要があります。
そこで、各タイプの記事の基本の書き方やポイントをまとめました。
他の記事の書き方との違いも踏まえながら、それぞれ見ていきましょう。
ブログ記事の書き方
「ブログ記事」といっても、実はかなり細かく分類できます。
- 個人が日記感覚で書くブログ記事
- 社内の様子などを書く会社のブログ記事
- 情報提供系メディアのブログ記事(記事コンテンツ)
など
日記感覚でブログ記事を書くなら、そこには決められた厳格なルールは存在しません。自分の好きなように書けばいいでしょう。
しかし、ブログ記事を通して何かの価値を提供したい、少なくとも何かの役に立ちたいという場合、書く前に決めておかなければならない要素があります。
- 誰のために書くのか
- 何を伝えたいのか
- どのように(どんな順番で)伝えるのか
ターゲット、目的、そして論理的に伝えるための順序の3つを決めておくことで、ブログ記事で読者に価値を提供できるようになります。
アフィリエイト記事の書き方
アフィリエイト記事とは、ASPを通して収入を得るための記事です。
アフィリエイト記事で最も重要なのは、読者を商品購入や資料請求まで誘導すること。
そのためには商品の詳細をダラダラと書くのではなく、購買心理を理解してうまく感情をゆさぶる必要があります。
さらにアフィリエイトサイトにより多くのユーザーを集めるためにはSEOライティングのスキルも求められますし、わかりやすく論理的な記事構成も必要で、読まれる・売れるアフィリエイト記事を書くには多くのスキルが要求されます。
しかし、一番重要なのは「読者に寄り添っていること」なのです。
例えば、格安SIMのアフィリエイト記事を書くにしても
- 格安SIMがそもそも何のことかわからない
- 格安SIMは安いが大手キャリアの方が安心できる
- すでに格安SIMに乗り換える予定で比較段階にいる
など、読者の悩みのレベルは異なります。
どのレベルの読者に向けて書くのかによって、アフィリエイト記事の内容も大幅に変わるでしょう。
記事の執筆途中で論点がズレることもよくあるため、「読者が求めている情報から離れていないか?」を都度確認しながら書き進めていきましょう。
レビュー記事の書き方
レビュー記事の中にアフィリエイト広告を貼る場合もあるため、レビュー記事はアフィリエイト記事の1つだと言えます。
ただ、アフィリエイト記事の目的が「商品を売ること」なら、レビュー記事の目的は「商品の魅力を知ってもらうこと」という違いがあります。
レビュー記事を書くなら、まずはその目的をはっきりさせておくことが重要。
そうしないと、レビュー記事がただの商品紹介記事になってしまったり、ステマっぽくなってしまったりするのです。
レビュー記事とは、すなわち体験談のこと。
商品のスペックよりも「使ってみたらどうだったのか?」に重点を置いて書きます。
口コミも合わせて紹介するといいですね。
また自分が商品を購入するに到るまでの経緯・ストーリーを記事の冒頭に持ってくるのもおすすめです。
- どんな悩みがあったか?
- なぜ購入を決めたのか?
- どこで(ネットや店舗)で購入したのか?
といった前段階の解説は読者から共感を得たり、購入方法に迷っている読者に道筋を示したりと、かなり役に立ってくれるでしょう。
解説記事の書き方
最近のGoogle検索で「〇〇とは?」と調べると、長文記事よりも、用語解説や辞典系のごく短い文章の記事が上位にヒットします。
このことから、ユーザーはダラダラ解説した長文よりも、わかりやすく端的に解説した短文の方を好んでいることがわかります。
解説記事では、何よりもわかりやすさが重要。
たった1つの用語について解説するために長文を書く人もいますが、なるべく無駄を省いた方がいいでしょう。
ただし、無駄を省きつつもその周辺の情報や必要な要素は入れるのがポイントです。
例えばマーケティングで使われる「AIDAの法則」について解説するなら、次のような構成になります。
大見出し:その他のビジネスフレームワーク
中見出し:AIDMA
中見出し:AISAS
中見出し:AIDCA
…
メインとなる「AIDAの法則」を最初にしっかりと解説しながら、その周辺情報も網羅しています。
こうした網羅性はSEOにも効果的なので、解説記事の検索順位を上げたいなら記事に組み込んでいきましょう。
新聞記事やニュース記事の書き方
新聞記事やニュース記事は読者に事実を伝えるための記事です。
そのため、個人の憶測を入れたり、不確かな情報を、さも事実かのように書くのはNGとなります。
特に引用元、参照元をはっきりさせなければいけません。
また新聞には見出し(Web記事の場合はタイトル)がありますが、見出しには結論を端的に表現した文を入れましょう。
そして一番最初に「結論」、その次に二番目に重要なことを書きます。
紙の新聞では限られた紙面にできるだけ多くのニュースを載せたいため、場合によっては1つのニュースのスペースが数行しかないことも。
そのため、新聞記事では徹底して無駄な情報を省き、重要な情報の取捨選択が必要です。
結論と重要なことを書き、詳しい説明は文字数が許す限り“できれば”加える。これが新聞記事の鉄則となっています。
記事の書き方のテンプレートとコツ
あなたは記事を書くときによくライターが取り入れている「PREP法」と「起承転結」の2つのテンプレートをご存知でしょうか?
これは記事の内容をどんな順番で書けばわかりやすいかをフォーマット化したものです。
また、記事を書く前段階に考えておきたいことに「5w1h」と「記事構成(プロット)」の2つがあります。
これらは記事を書くときに役立つので、ぜひ覚えておきましょう。
PREP法
PREPとは次の頭文字を取ったものです。
- Point:要点
- Reason:理由
- Example:具体例
- Point:要点
先に結論を言って、その結論の理由、理由を裏付けるための具体例を説明したら、最後にまた結論を言ってまとめるという流れ。
この流れで書くことで、読者は飽きることなく最後まで記事を読んでくれるようになります。
書き手もスムーズに書きやすく、出来上がった記事も論理的に仕上がります。
PREP法は記事を書くときだけでなく、資料作成や論文などにも使われている優秀なテンプレートです。
起承転結
PREP法と対極で使われるのが起承転結です。
承:「起」の続き。主題を展開し、詳しい状況を示す。
転:急展開や逆転が起こる。クライマックス。
結:全体をまとめる。
起承転結は主にストーリー(物語)を構成するときに使われるフォーマットであり、ストーリー性が必要ない記事を書くときには、結論が最後に来るのはあまり好まれません。
しかし起承転結は読者を少しずつ引き込むのに適しています。
例えば、アフィリエイト記事やレビュー記事を起承転結を用いて書いてみると…
承:落ち込んでしまい何もうまくいかない。そのまま太り続ける
転:「〇〇」という商品に出会い、ダイエットに成功
結:「〇〇」という商品は素晴らしい。商品の概要を解説。
という流れになります。「起」〜「転」は前座であり、あくまで「結」からが本題ですが、「結」以降をPREP法を使って書いてもいいですよね。
「起」〜「転」で物語風にしているため、「結」に来る頃には読者を十分引き込んでいるはずです。
5w1hを取り入れる
5w1hは、5つの「w」と1つの「h」から始まる英単語を意味しています。
- when:いつ
- who:誰が
- where:どこで
- what:何を
- why:なぜ
- how:どうやって
5w1hを記事に取り入れることのメリットは、文章の誤解や誤読、疑問を解消することです。
特に新聞記事やニュース記事では「○月○日、東京都在住の××容疑者は…」というように、5w1hを活用しています。
しかし、5つの「w」と1つの「h」を一文にすべて組み込んでしまうと長文になり、読みにくくなります。
その文ごとに必要な要素だけを入れて、読みやすく・わかりやすい文章にしましょう。
記事構成(プロット)のポイント
記事の執筆に取り掛かる前に、記事構成(プロット)を作成してから肉付けするように書くとスムーズに記事を書き上げることができます。
しかしプロットがめちゃくちゃだと、出来上がる記事もかなり読みにくくなってしまうでしょう。
そこで、プロットを作成するときには次の順序で組み立てていくのがポイントです。
- 記事テーマや主軸、SEOキーワードなどを明確にしておく
- 記事に入れたい要素や要点をまとめておく
- 要素や要点を大見出し・中見出しに振り分ける
- 論理的で自然な流れになるように並べ、構成を組み立てる
まずは記事に入れたい要素を箇条書きに書き出しておくことで、構成も記事執筆もスムーズに進みます。
記事の書き方に関する本
最後に、記事の書き方や文章術に関するおすすめの本をご紹介します。
何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術
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どんな記事にも通じる基本の文章術がこの一冊に凝縮されています。
書くことに苦手意識を持っている人から書き慣れた人まで、改めて基本をおさらいし、応用にも繋げられる内容になっているため、幅広い層におすすめできる本です。
人を操る禁断の文章術
ベストセラーになったこちらの本を、現在でも多くのライターが参考にしています。
特に「商品を購入してほしい」というアフィリエイト記事や、レビュー記事、企業のブログ記事などを書く人におすすめです。
読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術
読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術|Amazon
ライティングのスランプに陥ってしまったという人におすすめしたいのはこちら。
記事の書き方や文章術を解説しているというよりは、エッセイに近い内容となっています。
ただ内容はしっかり濃くて、書く意欲が湧いてくるでしょう。
記事の書き方を覚えるとライティングにも編集にも活かせる
今回はさまざまなタイプの記事の書き方について解説しましたが、実は記事の書き方を覚えることは、自分のライティングだけでなく、その知識を編集業務にも活かせます。
文章を書くライターはもちろん、書いたものを改めて見直しブラッシュアップする編集者も、ぜひ記事の書き方の知識を身につけていきましょう!