【セールスライティング入門】学び方から基本の書き方、仕事の始め方まで

商品やサービスを売りたいとき、営業マンであればお客様と対面して商品の魅力を伝えますよね。しかし、Webではお客様と直接対面することはできません。

そこで取り入れられるのがセールスライティングです。セールスライティングを学べば、言葉の代わりに文章で商品やサービスが売れるのです。

今回はそんなセールスライティングの学び方や書き方、そしてセールスライターとしての仕事の始め方までをお伝えします。

目次

セールスライティングとは?

セールスライティングとは「セールス」という言葉通り、商品やサービスを販売することを目的とした文章を書くこと、もしくはそのスキルのことです。

Web上でお客様と対面しなくてもいい、もしくは直接営業をかけなくていいというメリットがあります。

またセールスライティングを用いた文章のことを「セールスレター」と呼びます。

セールスライティングが使われる場面

実はあまり意識していないだけで、セールスライティングは身近な場面でよく使われています。

  • LP(ランディングページ)
  • 商品紹介
  • アフィリエイト
  • メルマガ
  • DMやチラシ
  • 雑誌や新聞の広告

例えば、商品を売るためのLP(ランディングページ)。やたらと縦長でスクロールしてもスクロールしても終わらない、なんてことがありますよね。

実はLPにはセールスライティングが使われているので、長くなってしまうのです。

https://edit.roaster.co.jp/marketing/3790/

ECサイトの商品紹介ページやメルマガなどWeb関連の他、DMやチラシ、紙媒体の広告など、Web以外でもセールスライティングが使われています。

ノンセールスライティングとの違い

セールスライティングの反対で、商品やサービスを売ることを目的としていないのがノンセールスライティングです。

セールスライティングとノンセールスライティングはどちらともWebライティングの種類の1つ。

https://edit.roaster.co.jp/writing/5326/

セールスライティングはコピーライティングやLPライティングなど「Web上のどのページに掲載する文章か」でさらに分解できます。

ノンセールスライティングはSEOライティングやSNSライティングなど、その目的ごとに分解されます。

さらにLPライティング×SEOライティングというように、ライティング手法を組み合わせることも。目的に応じて使い分けていきましょう。

セールスライティングを学ぶ方法

「この商品のここがいいんです!」と単に紹介するだけでは商品は売れません。セールスライティングには心理学の知識が詰め込まれているので、商品が売れる文章になるのです。

セールスライティングにいきなり挑戦する前に、どんな文章なのかを学びましょう。

テンプレートを真似て書く

セールスライティングにはある程度決まった“型”、いわゆるテンプレートがあります。そのテンプレートで取り上げられている商品を自社の商品に変え、真似て書くだけでも立派なセールスライティングになります。

まず大まかな型として、セールスレターは次の3つで構成されています。

  • ヘッドライン:読者を最初に引き付け、続きを読ませるためのパーツ
  • ボディコピー:商品の特徴やメリットなどを紹介するためのパーツ
  • クロージング:読者を後押しし、購入に結びつけるパーツ

Web上にはセールスレターがたくさん溢れています。自分が思わず商品を買いそうになった(もしくは買った)セールスレターを上記3つに分解し、テンプレートとして真似て買いてみましょう。

本から学ぶ

セールスライティングに関する本もたくさん出版されています。有名な本をご紹介するので、本を読んで基礎を身に付けましょう!

ウェブセールスライティング習得ハンドブック

ウェブセールスライティング習得ハンドブック|Amazon

あらゆるビジネス本を出版し、ダイレクトレスポンスマーケティングを行っているダイレクト出版の本です。コンパクトで読みやすい本ですが、基本の書き方やテンプレートも紹介されているので、はじめの1冊におすすめです。

ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則

ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則|Amazon

アメリカのコピーライターが著者のため、セールスライティングのノウハウがぎゅっと凝縮された1冊になっています。一般的な本2〜3冊分の値段ですがその価値以上の内容の濃さです。ただマーケティング初心者は読みづらいところがあるので、中上級者向け。

セミナーに参加する

セールスライティングのセミナーも探せばたくさんあります。例えば宣伝会議では「セールスコピー実践講座」という名前でセールスライティングを教えています。

しかし、中にはセミナー告知自体がセールスライティングで書かれたものが多く、びっくりするような高額の参加費が必要になるセミナーもあります。

そのセミナーに価値を感じ、懐に余裕があれば参加しても問題ありませんが、無理に高額セミナーに申し込む必要はありません。身の丈に合った価格帯のセミナーを選ぶか、他の方法で学んでも十分セールスライティングは身につきます。

養成講座で独自の資格を取得する

例えば、有名な講座でいうと「宣伝会議コピーライター養成講座」があります。この講座の卒業資格を取得するのも良いでしょう。

養成講座で先生が1人1人を見てくれる個別指導方式で学ぶ方法のためおすすめです。文章は誰かに添削してもらうことでブラッシュアップできるので、自分の文章をきちんと見てもらえる個別指導は貴重な機会です。

またセールスライティングには特別な資格は一切必要ありませんが、養成講座を開催する団体が独自の資格証明書を発行することはあります。

国家資格ほどの強みはありませんが、独自資格を持っているだけでも仕事を取りやすくなります。

セールスライティングの基本の書き方とコツ

セールスライティングの学び方をご紹介しましたが、本記事でも基本の書き方をいくつか解説します。まずは本記事でセールスライティングを身に付けてみてください!

消費者は「読まない・信じない・行動しない」

セールスライティングをおこなううえで、消費者が購買にいたるまでに越えなければならない「3つのNot」というのが存在します。

それが、「読まない・信じない・行動しない」です。

あなた自身にも思い当たることがあるかもしれませんが、ユーザーは興味がないことや関係ない広告には見向きもしません。

また、「良い商品です」とただ説明するのでは、消費者は信じてくれないもの。

さらに、実際に購買してもらうため消費者にどんな行動をとってほしいのか具体的な導線を引いてあげることも大切です。

このように、消費者心理を表した「3つのNot」、「読まない・信じない・行動しない」をセールスライティングでは解消していくことが大切です。

扱う商品・サービスを理解する

商品やサービスを売るためのライティングですから、まずはその商品・サービスについて理解している必要があります。

ただスペックに目を通すだけではなく、

・どんな人をターゲットにしているのか
・その商品・サービスを使うとどんな変化があるのか
・他社との差別化ポイント
・ユーザーはどんなところに疑問や疑いを持つか
・その疑問を解決する具体的な方法や証拠はあるか

など、もっと踏み込んだところまで考えてみましょう。

ターゲットに合わせた訴求方法を見つける

ターゲットに合わせた訴求方法を見つけるのに便利なのが「BFDフォーミュラ」というものです。

相手を行動に駆り立てるためには、相手の「コア・コンプレックス」を理解しなければなりません。

コア・コンプレックスとは、「信念」、「感情」、「欲望」を総称して「BFDフォーミュラ」といいます。

Belief(信念):買い手は何を信じているだろうか?
Feeling(感情):買い手はどんな風に感じているのか?
Desire(願望):買い手は何を求めているのか?

セールスライティングを始める前に、あなたが売りたい商品を求めている人々の「BFDフォーミュラ」を具体的に書き出してみると良いでしょう。

キャッチコピーを考える

「読者はそもそも広告を読まない」ということを覚えておきましょう。一見広告には見えないセールスレターでも、少し読み進めて広告だと気付けば読者はすぐに離れてしまいます。

それを防ぐため、ヘッドラインに入れるキャッチコピーを考えましょう。

キャッチコピーは読者の興味を引くためにあります。

「芸能人の〇〇が勧める〜」「〇〇ランキングで1位獲得!」などのフレーズがあると気になりますよね。ごく短いキャッチコピーで、読者を“キャッチ”していきましょう。

重要なことは最初に伝える

ユーザーは上から順に文章を読んでいきます。そのため、重要なことや伝えたいことは最初に書くようにしましょう。

最初の段階で魅力を感じなければ、ユーザーは離脱してしまいます。

大事なことが最後に書いてあったら、それが伝わる前に「魅力がない」と判断されて伝わらないまま終わってしまいます。

商品のベネフィットや効果・効能、魅力は最初から全開にしましょう。

裏付けるデータや権威性のある情報を書く

インターネット上には玉石混交の情報があふれています。そのため、読者は「どの情報が本当に正しいのか」と常に疑っている状態です。

「この商品には〇〇のメリットがある!」と言ったのなら、読者を安心させるためにそれを裏付けるデータや権威性のある情報を書くようにしましょう。

きちんと調査したデータ、もしくはその道のプロ・専門家の発言、または実際に利用したユーザーの口コミなどが裏付けとして利用できます。

読者を行動させるには

せっかく商品に興味を持ってもらったものの、実は読者はあまり行動(購入)したがりません。読者を行動させるには、行動したくなるように誘導する必要があります。

・行動の理由を与える:「期間限定」「今なら○%引き」など
・不安を取り除く:「全額返金保証」「1年間の交換保証」など
・具体的な注文の手順を教える:「Webサイトの注文手順」「アプリのダウンロード手順」など

ただし、読者に購入してほしいばかりに嘘の約束をしてはいけません。セールスライティングでは誠実さが一番大事になります。

セールスライティングで使える法則・フレームワーク

PREP法(フレップ法)

PREP法は、文章構成の基本としてビジネス文書などでもよくも言いられます。

Point:結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:結論

まず最初に重要なこと(商品のベネフィットなど)を打ち出し、そのあとで理由〜具体例を挙げ、もう一度結論で締める方法です。

セールスライティングを初めて書く人は、まずはPREP法に則って文章を書くと良いでしょう。

PREP法の型に沿った文章は、簡潔でありながら、しっかりと根拠づけされた説得力のあるものになります。

BEAFの法則

セールスライティングのフレームワークには「BEAFの法則」と呼ばれるものがあります。

Benefit:メリット、ベネフィット
Evidence:具体的な証拠、論拠
Advantage:競合優位性
Feature:さまざまな特徴

いきなり価格やサイズなどを提示するのではなく、最初に購入したときのメリットやお客様にとってのベネフィットを提示して惹きつけます。

次にそのメリットに対する論拠を取り上げ、競合と比較してググッと興味を沸かせてから特徴を紹介する、という流れです。

この流れを指揮しながらセールスライティングすれば、それなりのセールスレターが出来上がるのです。

新・PASONAの法則(新・パソナの法則)

経営コンサルタント、神田昌典氏が1999年に提唱したPASONAの法則の改訂版を「新・PASONAの法則」と呼びます。

Problem:問題提起
Affinity:親近感
Solution:解決策
Offer:提案
Narrow down:絞り込み
Action:行動

「新・PASONAの法則」では、最初に商品の魅力を伝えるのではなく、ユーザーの悩みや問題を顕在化させ、それに寄り添う形で商品を紹介する方法です。

自分の問題があるからこそ、商品に共感が湧いたユーザーから高い確率でコンバージョンが見込めるはずです。

CREMAの法則(クレマの法則)

先ほどご紹介した、新・PASONAの法則よりも端的で短い文章で書けるので、どうしても最後まで読んでほしい時に最適です。

Conclusion:結論
Reason:理由
Evidence:証拠
Method:手段
Action:行動

まず先に結論を示し、理由〜証拠と続いていきます。ここまではPREP法ににています。

しかしCREMAの法則では、その後、手段〜行動を記載します。初めに示した結論についてどうすれば達成できるのか。具体的な手段の方法を伝えることで読者は、次の行動を移しやすくなるのです。

そして最後に実際に行動を起こしてもらうため、「今すぐ」「今日限り」などのコピーを加えて行動に結びつけていきます。

セールスライティングの仕事の始め方

セールスライティングを身に付けたら、仕事を取って収入を得たいですよね。著名なセールスライターになると、普通の会社員より高い年収を得ることもできます。

セールスライティングにはどんな仕事の始め方があるのかをご紹介しましょう。

副業として始める

一番挑戦しやすいのは副業として始める方法です。会社員としての本業をする傍ら、企業などから依頼を受けてセールスライティングをしている人も大勢います。文章を書く仕事なので場所や時間に縛られません。

副業として始めるなら、クラウドソーシング使って仕事を探してみましょう。セールスライティングの仕事は次のようなサイト・サービスから探せますよ。

  • クラウドワークス
  • ランサーズ
  • ココナラ
  • Wantedly

求人に応募する

ライターを募集している企業も数多くあります。特にセールスライターはノンセールスライターよりもスキルを求められることが多いため、需要が高いです。

例えば、

  • 自社の商品紹介やLPを書いてくれるセールスライターを探している企業
  • 企業が案件を受け、専属のセールスライターに割り振っている企業
  • セールスライターを含め他のライティング業務や編集業務を行う人材を探している企業

など、企業によって求める人材に違いがあります。

自分はセールスライティングに集中したいのか、それとも他のライティング業務も請け負うのか。

もしくは、自社商品を持っている企業に入りたいのか、BtoCかBtoBかなど、業態もさまざまです。

もちろん仕事内容によっては給与面も変わってくるので、求人をいくつか比較検討してみるといいですね。

自分のブログやビジネスを作る

セールスライティングは幅広く使えるテクニックなので、自分のブログを作ってアフィリエイトするという方法もあります。

自分のブログであれば自分の裁量で運営できるので、テーマや商品・サービス選びは自由です。

その代わり、実際に収入を得るまでには一定数のアクセスが必要で、時間がかかることも覚えておきましょう。

他には、自分でビジネスを作って営業活動にセールスライティングを用いることもできます。

セールスライティングは様々な場面で活きる

実はセールスライティングはあらゆる場面で活きるスキルでもあります。

例えば営業マンなら、セールスライティングのスタイルをそのまま営業に応用するだけ。

実生活でも、その文章がセールスライティングで書かれていることがわかれば冷静な目で判断でき、衝動買いを抑えられるかもしれません。

さらに心理学やマーケティングも同時に学べるため、普段の仕事にも役立ちます。

実際に文章で商品を売る機会は少ないとしても、セールスライティングを学んでおいて損はありませんよ。

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