長文を書くことが苦手な人は、読書感想文でも苦労した記憶があるのではないでしょうか?
大学では卒論、社会人になってからはレポートと、長文を書かなければいけない場面は何度もやってきます。
そこで今回は、長文ライティングが苦手な人でも長文をすらすら書けるコツをご紹介しましょう。
合わせてトレーニング法もご紹介するので、ぜひ実践してみてください。
「長文」は何文字から?
そもそも「長文」とは何文字からのことを言うのでしょうか?
まずは様々な場面での平均的な文字数を一覧にしました。
新聞や雑誌のコラム | 約500〜700文字 |
レポート(指定文字数がある場合) | 1,000文字以上 |
ブログ記事 | 1,000文字前後 |
読書感想文(原稿用紙3枚) | 1,200文字 |
Webメディアの記事コンテンツ | 平均3,000文字程度 |
卒業論文 | 約2万〜4万文字 |
本 | 約8万〜10万文字 |
ちなみに、表にはありませんがTwitterの文字数の上限は140文字。
この程度なら抵抗なく書ける人がほとんどでしょう。
しかし1000文字を超えてくると、苦手意識を持ち始める人が出てきます。
「長文」の感じ方は人それぞれで異なる
普段から文章を書くことに慣れていれば3,000文字書いても長文だとは感じませんが、慣れていない人は1,000文字でも苦労します。
つまり「長文」の感じ方は人によって異なるのです。
そこで目安にできるのが、学生の頃に書いた読書感想文です。「原稿用紙3枚以上」のような指定があったことでしょう。
その原稿用紙3枚を埋めるのが苦手だった人は、今でも長文のライティングが苦手だと感じているのではないでしょうか。
長文に苦手意識を持つ理由
長文を書くことに苦手意識を持つ最大の理由は、普段から長文を読む機会が少ないことが挙げられます。
やはりインプットなくしてアウトプットはできませんから、普段の読書量が文章を書く量に影響するのです。
また、読書感想文や卒論などの文章に取り組んだとき、辛い思いをしたことも苦手意識を持つ原因です。「長文を書くこと=苦しいこと」というイメージに直結してしまうからです。
そして長文を書き切った成功体験を持っていないと、長文に対しての苦手意識は拭えないままになります。
長文を書くための6つのコツ
実は長文を書くことは、コツを押さえればそんなに難しくありません。ここで解説する6つのコツを押さえて、長文ライティングに挑戦してみましょう!
文章の中で言いたいことを明確にする
まず文章の中で言いたいことは、書き始める前に明確にしておく必要があります。なぜなら、長文になればなるほど、書き手自身が「何が言いたいんだっけ?」と論点がわかりづらくなるリスクが高まるからです。
この「言いたいこと」とは、別の表現にすると「テーマ」「主題」「結論」のこと。文章の軸がブレないように、メインテーマを見据えて書くようにしましょう。
文章の骨組みから取り掛かる
長文を書けない人の多くは、いきなり文章を書き始めようとしています。するとどうなるかと言うと、規定の文字数に届かないまますぐに書き終わってしまうのです。
こうして書いた文章は、内容が薄く読みごたえがありません。
長文を書いて内容に厚みを持たせるためには、文章の骨組み(構成)から取り掛かりましょう。最初に決めたテーマをもとに、どういう情報をどんな順番で書いていくのかを考えます。
構成を考えるうちに「この情報があると親切」「これを追加したら面白くなる」など、文章に盛り込みたい要素が出てくることも。そうするうちに、厚みのある内容になっていきます。
具体例を示す
簡単に文字数を増やせる方法が、具体例を示す方法です。具体例とは、主張を裏付けるための「根拠」として用いるもの。
何か説明をした後に具体例を示すことで、内容に説得力をもたせたり、読者の理解度を深めたりもでき、一石二鳥にも三鳥にもなります。
さらに具体例の内容によって文字数を増やしたり抑えたりできるため、文字数コントロールにも役立ちます。
引用を活用する
引用も具体例と同様、簡単に文字数を増やせる方法です。引用とは、資料や偉人の言葉など、他人の文章を自分の文章に引いて説明に用いること。引用でも主張を強めることができます。
ただし場合によっては「引用部分は文字数にカウントされない」と規定されていることもあるので注意。
とはいえ、引用があるだけで見た目がボリューミーになりますし、資料をふまえての主張であることが読者に伝わります。
五感を使って状況を詳しく解説する
文章を書くとき、淡々とした感情のない文章になっていませんか?淡々とした文章はどうしても短くなりがちです。
そこで、五感を使って状況を詳しく解説することを意識してみましょう。例えば「8月は暑い」と一言で言い表わせることを、次のように解説してみます。
真っ赤な太陽がジリジリと焼けるように熱い8月のことである。アスファルトの照り返しが辛くて商店街の日陰に入った私は、自販機で買ったコーラを飲みながらセミの合唱に耳を傾けた。肌に当たるそよ風は、お世辞にも心地良いとは言えない生ぬるさだ。
赤文字の部分は、情景や感情を想起させています。読者は文章を読みながら、実際の景色を思い浮かべるでしょう。
五感を使って説明すると自然とストーリー仕立てになり、長文でも読者を引き込めるのです。
あえて短く書こうとしてみる
「長文を書かなきゃ」と考えると、何も思い浮かばないですよね。そこで、あえて「短く書こう」と考えてみましょう。すると、付け足したいことが次々に思い浮かんでくるのです。
これは「ダメ」と言われたらやりたくなる、心理学のカリギュラ効果を狙ったもの。あれこれ装飾するのではなく、シンプルに考えることで、付け足すべき要素にしっかり向き合えます。
文章は「長ければ良い」ものではありません。内容がスカスカの長文ではなく、しっかりと中身が詰まった文章が書けるといいですね。
長文が書けるようになるトレーニング方法
いきなり長文を書こうとする力んでしまいますが、普段から長文慣れることで、いつでも長文ライティングに対応できるようになります。
最後に、長文が書けるようになるトレーニング方法もご紹介しましょう!
長文を読んでインプット・アウトプットする
そもそも長文を書くことが苦手な人は、長文を読むことも苦手な人が多いです。長文に対する苦手意識を克服するために、普段から長文を読んでインプット・アウトプットを行いましょう。
長文の読書に最適なのは本です。いきなり全部読もうとする必要はないので、一章ずつ読み進め、慣れたら二章・三章まとめて読み切りましょう。
そして一冊読み終えたら、本の内容を自分の中で咀嚼してアウトプットします。長文を書くためにはSNSよりも、日記やブログなどを活用するといいでしょう。
1つの見出しに対し、深く考察する
500文字の文章を1,000文字以上に伸ばすには、要は内容を深く掘り下げればいいのです。ではどうやって内容を掘り下げるのかというと、1つの見出しに対し、深く考察しましょう。
見出しを追加して新たな内容を付け足せば簡単に長文になりますが、メインテーマから外れてしまうリスクもあります。
そこで1つの見出し(内容)について具体例や引用なども活用しながら考察していけば、テーマから外れることなくボリュームを増やせます。1つのサブジェクトについて、普段から深掘りするクセをつけるといいですね。
論理的思考力を鍛える
論理的思考力(ロジカルシンキング)があると、物事を理論立てて考えられるようになります。そしてその思考の道筋を、文章の中で順を追って解説すれば、おのずと中身の詰まった長文になるのです。
前述した「1つのサブジェクトを深掘り」でもロジカルシンキングは役立つので、以下の記事も参考にしてトレーニングしてみてください!
長い文章を実際に書いて苦手意識を克服しよう
長い文章を書けないのは、苦手意識があるから。その苦手意識を克服すれば、長文を書くことは難しくないと気付けます。
ここで解説したコツを押さえながら長い文章を書いてみると、すらすらと書けることに驚くかもしれません。そして一度長い文章を書き切った経験があれば、長文に対する苦手意識も克服できるでしょう。