正しい段落の分け方とは?文章を読みやすくする段落分けの基本

あなたは文章を書くとき、段落分けを意識していますか?ほとんどの人が正しい段落の分け方は気にせず、直感で改行しているだけでしょう。

しかし、段落分けは文章の読みやすさ・内容の理解しやすさに影響します。文章を読んでいて違和感がある……もしかしたらそれは、段落の分け方が間違っているのかもしれません。

本記事では文章を読みやすくするための、段落の分け方について解説します。

目次

文章上における段落の意味

「段落」とは、1つの文章の中で新しい話題や考え方に移るときに使用される「区切り」や「切れ目」のことです。

1つの文章の中で主張が複数ある場合や、話題が変わるときに「さぁ、次の話題ですが〜」と示す役割があります。

逆に段落分けされていない文章はどうでしょうか?文章が長々と続くため、読み手を疲弊させてしまいます。

人は長い文章を読むことへの耐性があまり強くありません。段落分けをすることで休憩を挟めるようにしてあげる意味合いもあります。

形式段落と意味段落

段落には「形式段落」と「意味段落」の2つがあります。

  • 形式段落(小段落):一文字下げて書き始めてある段落(メディアによっては一字下げがない)
  • 意味段落(大段落):形式段落の中で、同じ内容でつながっている部分をひとつにまとめた段落

少しわかりにくいので、例を挙げて説明しましょう。

こちらの文章には形式段落が3つあります。そして文章全体を通して「読ませる文章と読みやすい文章との違い」について説明されているため、意味段落は1つです。

つまり、形式段落が複数集まった意味のまとまりが、意味段落になります。

Web文章のインデント(一字下げ)について

新しい段落に移る際には、インデント(文字の一字下げ)を行います。雑誌や本、新聞など、紙媒体の文章を読むと、一字下げがされていることがわかるでしょう。

日本の文章ルールは紙媒体を基準としていますから、Webの文章でも本来はインデントを置くのが基本。ニュースサイトなどではインデントが置かれています。

しかしブログや企業運営のWebマガジンなどでは、一字下げがされていない文章も多いです。インデントを置く代わりに、空白行を一行入れることで形式段落を表現しています。

また、Web文章を読むのは目が疲れやすいです。特にスマホで読む場合は画面が小さく見づらいため、より細かく段落を分けることもあります。

正しい段落の分け方ルール

今まで段落を気にせずに文章を書いていた人は、改めて段落を意識してみましょう。文章がグッと読みやすくなります。

それでは、正しい段落の分け方ルールを覚えましょう。

話題の変わり目で分ける

段落の分け方は、基本的に「話題の変わり目で分ける」ことを意識しましょう。

例えば「ビタミンCが豊富な食べ物」について書くとき、オレンジで1段落、いちごで1段落、キウイで1段落……と形式段落を分けていきます。

さらに「ビタミンDが豊富な食べ物」について書く場合も、サケで1段落、牛レバーで1段落、マッシュルームで1段落……といった具合です。

そして文章のタイトルが「ビタミン類が豊富な食べ物」の場合、「ビタミンCが豊富な食べ物」と「ビタミンDが豊富な食べ物」はそれぞれが意味段落となります。

紙の文章の場合は一字下げ、Web文章の場合は一字下げるか、もしくは空白行を一行入れます。

段落1つに対して言いたいことは1つ

段落1つに対し、言いたいことは1つだけに絞りましょう。

例えばオレンジについて解説している形式段落で、いちごやキウイについて解説するのはNG。または、ビタミンCについて解説している意味段落で、ビタミンDについて解説するのもNGです。

読者を混乱させないためにも、1段落1テーマに収めてください。

トピック文・要約文を入れる

トピック文・要約文とは、「この段落では〇〇について話します」と示す役割のある文章のこと。次に何を話すのかがわかりやすいように、段落分けをしたら最初の文にトピック文・要約文を入れましょう。

さらにトピック文・要約文の後ろには、トピックに対して詳しく、論理的解説する文章が続かなければいけません。こちらも1段落1テーマを意識し、脱線する話は省きましょう。

段落の校正記号とHTMLタグ

アナログの場合は校正記号で、Web文章でWordPressなどを使う場合はHTMLタグで段落分けを行います。

アナログ文章の校正記号はこちら。何かの文章を校正するときに利用しましょう。もちろん、自分の文章を段落に分ける場合には、インデントを置くだけでかまいません。

画像引用:校正記号これだけ知ってると大丈夫

HTMLコードは「pタグ」といって、次のように記載します。

1段落目 <p>ここに文字が入ります。</p>

2段落目 <p>pタグで囲まれた文章すべてが1段落です。</p>

必ずしも校正記号やHTMLタグを使う必要はありませんが、覚えておくと便利ですよ。

また段落分けと改行は混同しやすい要素。以下の記事で正しい改行のやり方も併せて覚えておきましょう。

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さまざまな場面での段落の分け方

たとえ意識していなくても、私たちは日常のさまざまな場面で段落分けをしています。

例えば、学生なら読書感想文や小論文、ライターなら小説やWeb記事など。

どの文章でも段落分けの基本ルールは同じですが、それぞれポイントや注意点があるので解説します。

原稿用紙に書く作文や読書感想文の段落分け

原稿用紙に作文や読書感想文を書く場合、段落を移るときには最初の文字を一字下げます。このとき、空白行は入れずにそのまま次の行に書き始めるのが基本ルールです。

原稿用紙は1枚400文字という規定があり、作文や読書感想文を提出するときには「3枚以上」など指定されますよね。空白行を入れるとその文字数分は誤魔化せてしまいます。

ただ、読みやすさを重視して空白行を入れる場合もありますが、入れすぎて見た目をスカスカにするのはNGです。

小論文やレポートの段落分け

小論文やレポートを横書きで書くこともあるでしょう。その場合も、書き始めには字下げを行います。

序論・本論・結論と分けられた小論文の場合、「序論」をそのまま1段落とせず、必ず話題の変わり目で段落を分けるようにしましょう。

レポートの場合は何を目的としているかにもよりますが、会社に提出する書類であれば、見やすさも考慮してください。段落分けに加え、箇条書きにしたり、空白行や表、グラフなどを挿入するといいですね。

小説など書籍の段落分け

小説やビジネス書、参考書などの書籍は、話題の変わり目がはっきりしていることが多いため、段落分けがしやすいです。

しかし、もし1つの意味段落が数十ページにもわたるほど長くなる場合には、意味段落を2つから3つに分けましょう。

文章が地続きで読みにくいと、後半になるにつれ読者は前半の内容を忘れてしまいます。大見出し・小見出しなどを間に挟むようにし、区切りを付けてあげると親切です。

Web文章での段落分け

Web文章での段落分けで一番悩むのが「インデント」と「改行との区別」です。これはWebメディアによってレギュレーションがまったく異なるため、文章を掲載するメディアに合わせるほかありません。

とはいえ「インデントを置かないのは不正解」でもないですし「改行タグと段落タグはきっちり分けないといけない」わけでもありません。

スマホで読まれることを想定すれば、一番重要なのは見やすいかどうか。見やすさを意識しながら、柔軟に対応してみてください。

正しく段落分けするには内容を理解する必要がある

改めて定義すると、段落とは意味や話題のまとまりのことです。

正しく段落分けするには、その文章の内容をしっかり理解し、どこで区切るかを検討する必要があります。

自分が文章を書く場合でも、自分の中で「言いたいこと」を明確に区分しておかなければいけません。

正しい段落分けのルールを覚え、読者にとって読みやすく理解しやすい文章にしましょう。

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