文章と文章をつなぎ、内容の理解を助けるのが「接続詞」です。感覚だけで接続詞を使っているという人も多いはず。
改めて接続詞の役割を考えてみると、どこにどのような接続詞を置くのが適切か見えてきます。接続詞の使い方をマスターすれば、文章のブラッシュアップにもつながるでしょう。
ここでは、文章を読みやすくする接続詞の使い方をお伝えします。
接続詞とは?役割と種類
接続詞とは、前の文と後の文を接続するはたらきを持つ品詞です。誰もが知っている接続詞といえば「しかし」「だから」「したがって」などがありますよね。
接続詞には、前の文章からスムーズに次の文章に移行させる潤滑剤としての役割があります。つまり、文と文の接続をより自然にしてくれるのです。
ただそれ以上に、前の文章と後の文章の関係性を明確にする役割の方が強いと言えるでしょう。
今日は台風で学校が休みになった。家で勉強する。
この文章では「学校が休みになった」ことと「家で勉強する」こととのつながりがはっきりしません。そこで接続詞を用いて、前後の文の関係性をわかりやすくしてみましょう。
今日は台風で学校が休みになった。だから、家で勉強する。
実は、どの接続詞を置くかによって前後の文の関係性が変わってきます。まずはどんな種類の接続詞があるのかを見ていきましょう。
順接
前の文章が原因となり、後の文章が結果となる際に使われる接続詞が「順接」で、種類の多い接続詞です。
だから・それで・そこで・そのため・すると・その結果・そのため・このため・したがって・ゆえに・それなら
逆接
前の文章で語られた内容とは逆の内容を述べる際に「逆接」が使われます。順接に続き、逆接の種類も多いです。
しかし・だけど・だが・でも・けれども・ところが・が・なのに・それなのに・にもかかわらず・ものの
並列・列挙・添加
「並列」は、前の文に続いて後の文にも似たような内容を並べるときに使用する接続詞。
「列挙」も並列と同じ役割を持ちますが、内容を並べるときには順番を示します。このとき、必ずしも数字を用いるとは限りません。
そして「添加」は、前の文に続き、後の文に内容を付け加えるときに使用する接続詞です。
【並列】また・および・かつ・ならびに・同じく
【列挙】第一に・1つめは・最初に・次に・最後に・はじめに・おわりに
【添加】そして・それから・それに・さらに・しかも・また
説明・補足・要点
「説明」や「補足」は、前の文章に対して理由を説明する際や補足を加える際に使われます。
そして「要点」は、前の文章に対して大切な要点を述べるために使われる接続詞です。
どれも文章に深みを持たせるためには欠かせない接続詞だと言えるでしょう。
【説明】なぜなら・というのは・というのも・なぜかというと
【補足】つまり・なお・ちなみに
【要点】すなわち・それには・そのためには
対比・選択
前の文に対して対比となる事柄を、後の文で述べる際に使われるのが「対比」。
さらに、前の文とは別の事柄を挙げ、選択させる際に使われるのが「選択」です。
前後の内容を比べたり、どちらが良いかを示したりしたいときに最適です。
【対比】一方で・他方・逆に・反面・反対に
【選択】それとも・あるいは・または・もしくは・その代わり
言換・例示
「言換」は前の文で述べた内容を別の言葉や言い回しに言い換える際に使われます。
前の文で述べた内容の理解度を深めるため、具体例を示すときには「例示」の接続詞を使用します。
【言換】つまり・すなわち・要するに
【例示】たとえば・いわば・いわゆる
対立・対照
「対立」も「対照」も、前後の文章で対となる事柄を述べる際に使用します。
逆接や対比とよく似ており、使われ方にも大きな違いはありません。ただ、「対立」と「対照」の方が対立関係が強いです。
【対立】に対して・確かに〜だが
【対照】対照的に・一方で・他方では
転換
それまでの文脈を一度打ち切り、新しい事柄に対して述べる際には「転換」を使用します。
話題を変える際や、次の内容に進みたい際にスムーズに移行できます。
ところで・それでは・では・さて・ときに・ともあれ・それはそうと
注目
前の文章で挙げた事柄の中でも、特に注目したいポイントを取り上げたいときには「注目」の接続詞が最適です。
特に・なかでも・とりわけ
結論
前の文章で述べた事柄に対し、最後にまとめや結論を述べる際に使われるのが「結論」の接続詞です。
このように・以上のように・いずれにせよ・ともあれ・さいごに
接続語と接続助詞
接続詞にもさまざま種類がありますが、接続語・接続助詞との違いも理解しておきましょう。
接続語とは、主語・述語・修飾語になる語句のことです。
接続詞は自立語として使えるのに対し、接続語は単独で使用できません。そのため、接続助詞と一緒に使うことになります。
【接続詞】
今日は台風だ。だから、学校が休みになった
もう眠い。だけど、まだ起きていたい
【接続語】
今日は台風だから、学校が休みになった。(名詞+接続助詞)
もう眠いけど、まだ起きていたい。(動詞+接続助詞)
「だから」も「だけど」も自立した接続詞として使用できますが、その場合は品詞です。他の語句とくっつけた場合は接続助詞の役割に変化し、その語が接続語となります。
接続詞の使い方
では、接続詞はどのようにして使うのが適切なのでしょうか?
まず前提として、「接続詞がなくても意味は通じる」ということを覚えておきましょう。
接続詞は文章をわかりやすくするサポーターでもあるのですが、実は多くのライターは不要な接続詞までつけてしまっています。
接続詞を使うことで、
- 論理が明確になる
- 文章にメリハリが出る
- 内容を理解しやすくなる
といったメリットはあるのですが、その一方で、日本語は接続詞がなくても意味は通じるようになっているのです。
この前提を頭に入れつつ、接続詞の使い方を見ていきましょう!
前後の内容に合わせて接続詞を選ぶ
まず、前後の文章の内容に合わせて接続詞を選ぶのが基本的な使い方です。
今日は大富豪になりたい。( )部屋の掃除をしている。
一見すると前後の文章は何の繋がりもありませんよね。そこで、あなたは( )内にどんな接続詞を入れるでしょうか?
ここでは2つのパターンを見てみましょう。
私は大富豪になりたい。(だから)部屋の掃除をしている。
私は大富豪になりたい。(しかし)部屋の掃除をしている。
順接の「だから」を使ったとき、書き手は自分の意思で部屋の掃除をしていることがわかります。大富豪になるための第一歩として、まずは身の回りから整えようとしているのかもしれません。
逆接の「しかし」を使うとどうでしょうか?書き手は野心を持ちつつも叶えられず、本当はやりたくないことを“させられている”ように見えますよね。
実はどちらとも間違いではありません。では、どちらの接続詞を選ぶのが適しているのでしょうか?
ポイントは、前の事柄に対して、後の事柄で「どのように感じているか」を表現できるかどうかです。
前後の内容と書き手の意図がぴったりとハマるように、適切な接続詞を選びましょう。
適切な場所に接続詞を使う
接続詞は「どれを選ぶか」に加え「どこに置くか」も重要です。接続詞を置く箇所を間違えてしまうと、文脈が大きく変わってしまいます。
接続詞には前の文章と後の文章を繋げる役目があります。そのため、文と文の間に置くのが適切ですよね。
では次の文章で逆接の接続詞「だけど」をどこに置くのが適切でしょうか?
私はトラ次郎という名前の猫を飼っている。(A)トラ次郎は私の祖母によく懐いている。(B)私は本当は犬が欲しかった。(C)メスでもなければ、トラ模様でもない。
Aに「だけど」を入れてしまうと「他の人には懐かないのかな?」という疑問が生まれそうです。Cなら「だけど」は合いそうですが、前後の文がスムーズにつながりませんよね。
よって、逆接の「だけど」はBに置くのが一番自然です。
より自然な文章にするなら、次のようなに接続詞を置きましょう。
私はトラ次郎という名前の猫を飼っている。(接続詞なし)トラ次郎は私の祖母によく懐いている。(だけど)私は本当は犬が欲しかった。(ちなみに)メスでもなければ、トラ模様でもない。
不要な接続詞は断捨離する
接続詞はまったくない文章は読みにくいですが、逆に接続詞がありすぎる文章も読みにくいです。そこで、不要な接続詞は断捨離してしまいましょう!
私は歯医者さんが怖い。とりわけ、機械でガリガリする音や感触が苦手だ。そこで、歯医者さんに行かなくてもいいように毎日きちんと歯磨きをすることにした。
ここで前提に挙げた「接続詞がなくても意味は通じる」を思い出して、接続詞を省いてみましょう。
私は歯医者さんが怖い。機械でガリガリする音や感触が苦手だ。歯医者さんに行かなくてもいいように毎日きちんと歯磨きをすることにした。
このように、前後の文の関係性がひと目でわかる場合には接続詞は不要です。
普段から接続詞を使いすぎていないかに注意して、なくても困らない接続詞があれば断捨離しましょう!
同じ意味の接続詞を連続して使わない
ライティングの際には、同じ意味を持つ接続詞を連続して使わないようにしましょう。
たとえば「だから〜だ。その結果〜である」のように、順接が連続すると文章が稚拙になったり、非論理的になってしまう可能性があります。
また「しかし〜。でも〜」と逆接が続いた場合、論理が次々とひっくり返されるので読者の混乱を招いてしまいます。
どうしても接続詞が連続する場合はどれかを省略できる可能性もあるので、読み返してみて断捨離できそうな接続詞を見つけてみてください。
接続詞の役割を理解して賢く使おう!
接続詞は文章の毒にも薬にもなります。文章を読みやすくし理解を助ける一方で、読みにくく理解を阻害する可能性もあるのです。
しかし、しっかりと接続詞の役割や種類を理解して賢く使えば、接続詞が文章をより良くしてくれるはず。
普段何気なく使っている接続詞ですが、改めて適切な使い方を意識してみましょう!