自社のWebサイトの担当になってしまった、マーケティング担当だがWebのマーケティングも兼任するよう依頼されたなど、基礎知識のないままWebマーケティングに取り組むことになった人もいるでしょう。
ここでは初心者向けに、Webマーケティングの基本的な仕事内容や手法を解説し、独学する場合にオススメの本をご紹介します。
Webマーケティングとは?
Webマーケティングとは、Webサイトに人を集め、商品販売やブランド認知を促進するための活動です。最近ではスマホアプリなどWebサイトにとどまらず新たな媒体も増えたことから、デジタルマーケティングと呼ぶこともあります。
Webマーケティングの最終目的は、商品の購入やブランド認知の向上です。この最終目的は従来のマーケティングと同じです。では、Webマーケティングと従来のマーケティングとの違いは何でしょうか?
Webマーケティングと従来のマーケティングとの違い
従来のマーケティングとは異なる大きな特徴として、Webマーケティングでは行った施策の効果測定が数値で容易に把握できる点が挙げられます。
たとえば雑誌広告であれば、どこに住んでいる読者が・どの雑誌を買って・どのページをどれだけ読んだか、というデータはなかなか手に入りません。読者アンケートを利用しても「アンケートに答えない層」のデータは見えません。
ですがWebマーケティングであれば、Webサイトにアクセス解析のタグを設置するだけで、サイトを訪れた全員分の、誰が・何回・どのリンクから来て・どのページを・何秒見たか、といったデータを手に入れることが可能です。
キャンペーン広告を複数のWebメディアに出稿した場合、どこのメディアが最も集客率が良いか? といった効果測定が非常に簡単にできるのです。
Webマーケティングの仕事内容は?
スマホやタブレットが普及して、現在の消費者は商品やサービスを購入する前にネットで情報を検索することが当たり前になっています。
Webマーケティングの担当者には、ただ自社のWebサイトで情報を発信するだけではなく、ターゲット層により多く自社の情報が届くよう、Webマーケティングの各種施策を取り入れることが求められています。
ここでは、具体的な仕事内容について説明します。
マーケティングの目標と戦略を立てる
まずは目標を明確にし、適切な戦略を立てます。
目標設定の指標にはKGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)とKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)がよく使われます。
途中経過であるKPIを達成するために、戦略を立て具体的な施策に落とし込んで実行していくのです。そして複数のKPIを達成していくことで、最終的ゴールであるKGIを達成するという流れになります。
例
- KGI:Webサイトからの売上を昨年より10%アップする
- KPI:Webサイトの訪問者数を10%アップする
- KPI達成のための戦略:広告出稿先の選定、期間限定キャンペーン、SEO対策を施した新コンテンツの作成など
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サイトへ見込み客を集める
KPI達成につながる戦略を実行するためには、自社のWebサイトに「見込み客」を集めることが重要です。
「見込み客」とは、自社の商品やWebサイトに興味を持ち、問い合わせやメールマガジン登録、無料プレゼントに応募した人など、今後も商品の購入につながる見込みが高い顧客のことをいいます。
見込み客の集客には、検索エンジンやSNSへの広告出稿、SEO対策を施したコンテンツへの検索流入などの手法があります。
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サイト訪問者へユーザー体験(UX)を提供する
ユーザーを満足させ、訪問者を見込み客にランクアップさせるために重要なのがコンテンツです。
自社のWebサイトの訪問者数が増えても、ユーザーが満足する体験を与えられないと訪問者はすぐに離脱してしまいます。
見た目のデザインがきれい・おしゃれというだけではユーザーは満足しません。コンテンツの質と量、字間・行間を含めた文章の読みやすさ、ユーザーの疑問や悩みがコンテンツの中で解消できたかどうかも、満足度に繋がる重要な要素です。
ユーザーの訪問目的を正しく理解し、スムーズに目的達成までの導線を整えることで「気持ちよく目的が達成された経験」をユーザーに与えることが満足度の向上につながります。
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ユーザーにアクションを起こさせる
アクションとは、Weサイトの訪問者が企業に対して問い合わせやメールマガジン登録、商品の購入など何らかの行動を起こすことを指します。ユーザー体験の満足度を高めることが次のアクションにもつながります。
これらのアクションを「コンバージョン(実績)」と呼びます。
サイトの効果を測定する
集客のために行った施策にどのような効果があったかをすぐに確認できるのが、Webマーケティングの利点です。サイトのアクセス解析を行うと、訪問者のデータを容易に取得できます。
アクセス解析を行うツールは「Google Analytics(GA)」が代表的です。無料で豊富な機能が利用できます。
GAで取得できる情報には、以下のようなものがあります。
- 訪問回数(セッション)
- ページビュー(PV)
- 滞在時間
- 直帰率
- ユーザーの閲覧環境(端末やOSの種類)
- 流入経路
測定結果を分析・改善する
アクセス解析ツールで得た訪問者のデータを分析することで、問題点や効果の高い施策を把握できます。Webサイトに改善策を施すなどして、次の施策につなげていきます。
Webマーケティングが学べるおすすめの本
Googleの検索アルゴリズムのアップデートも頻繁に行われ、Webマーケティングの技術的な移り変わりはとても激しいといえます。これからWebマーケティングを学ぶ人は、基本の考え方を押さえておくことが大切になってきます。
沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディション
初心者向けWebマーケティングの入門書ならコレ! Web上で連載され大人気を博したコンテンツの書籍化。初心者向けに「Webサイトを作ったのちにどう運営していけばいいのか」がストーリー仕立てで分かりやすく説明されています。
マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 ―Webマーケッター瞳の挑戦!
マンガとストーリーに沿った丁寧な説明で、Webマーケティングの本質をわかりやすく解説しています。
実際の企業で行なっている施策も豊富に掲載され、「沈黙のWebマーケティング」に比べると企業内のWebマーケティング向けで、マーケティングのマネジメントにも切り込んだ内容です。
現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書【改訂2版】
第一線のアナリストが教える「データの見方」と「改善ポイント」が分かる本。
どのようにWebサイトのゴールを決めて、施策を打ち、分析し、改善をしていくかという一連の流れが理解できます。フルカラーで図表も多く丁寧な解説。Webマーケティング担当者の必携書です。
Webマーケティングの最終目的はコンバージョン
新聞雑誌やTVCMといった従来媒体のマーケティングと同様に、Webマーケティングの最終目的は、ECサイトであれば商品の購入、自社ブランドサイトであれば自社ブランドの認知度や好感度のアップといったコンバージョン(実績)です。
しかし、Webマーケティングには紙媒体よりもずっと効率的に予算配分が行える利点があります。
Webマーケティングではアクセス解析・分析が容易に行えるので、広告やキャンペーン等のマーケティング施策の効果判定が明確です。効果が高いものにはもっと予算を振り分け、効果が低い施策はストップして次の施策を打つという判断が、従来媒体よりもスピーディーに行えるのです。
Webマーケティングに従事する際には、PDCAサイクルを効率よく回してスピード感を持って取り組みましょう。