NO エンタメ, NO LIFE #2  怖い絵×プラネタリウム「星と怖い神話」

エンタメ好きの新米編集者・田村が、毎月さまざまなジャンルのエンタメ情報を紹介していくこの企画。

今月は、7月1日からコニカミノルタプラネタリアTOKYOにて上映中の、怖い絵×プラネタリウム「星と怖い神話」についてご紹介します。

プラネタリアTOKYO公式ホームページより

私が行ったのが三連休の中日だったこともあり、チケット予約開始時刻ぴったりにHPにアクセスしたにも関わらず一気に埋まってしまい、一緒に行く予定の友人と離れ離れの座席で各自楽しむスタイルに。

私のような“怖いもの見たさ”で集まった多くの人々で満席の、大人気作品でした!

本記事では本作品の内容について、ネタバレしないよう気を付けつつお話ししていきます。

目次

プラネタリウムと怖い絵 異色のコラボレーション


星空を楽しむのに欠かせない星座の多くは、ギリシャ神話に由来があります。

実は陰惨で恐ろしいエピソードの宝庫でもあるギリシャ神話。

その恐ろしくも愛憎あふれる魅力的な物語の数々は、歴代の画家たちの想像力を大いに刺激し、多くの名画が残されました。

そんなギリシャ神話にまつわる数々の傑作の中から、選りすぐりの怖い名画の謎を、分かりやすく丁寧に解説して紐解いてくれるのは、本作の監修者でありベストセラー「怖い絵」シリーズ(角川文庫)の著者、中野京子先生。

MCのミッツ・マングローブさんを迎えて、中野先生との対談形式で繰り広げられる本作。

目の前のスクリーンに大きく映し出された絵画を観ながら、お2人の興味深いトークを聞くことができる非常に贅沢なひととき。

ミッツさんの落ち着きのある上品な声色が、星と神話の美と恐怖の世界にマッチしていました。

ちなみに私は、ミッツさんもメンバーの音楽ユニット・星屑スキャットが歌う、少年隊の『君だけに』のカバーが好きです。

皆さま声が綺麗でハモりがとっても美しいのです。知らない方、ぜひ聞いて観てみてください♩

語り手は、テレビ朝日「ポツンと一軒家」のナレーションで聞き馴染みのある声優・小山茉美さん。

そのしっとりとした声の豊かな表現が心地よくも何処か不気味で、知的好奇心を掻き立てられ、いつの間にか星と神話の恐怖の世界に没入していました。

ちょこっとだけ作品紹介

ここからは本作で紹介された名画について少しだけお話ししていきます。

まず最初のお話は、天の川の誕生にまつわる物語。

ナショナル・ギャラリー公式サイト, ティントレット『天の川の起源』

日本では織姫と彦星のロマンティックな物語が語り継がれる天の川。

そんな天の川の誕生を、イタリアルネサンス期のヴェネツィア派の巨匠ティントレットが、ギリシャ神話のエピソードをモチーフに描いた『天の川の起源』。

主な登場人物は主神ゼウスと彼の正妻ヘラ。

一見すると怖い絵に見えない上、天の川も描かれていないように思われます。

ですが、実はこの絵には日本の七夕伝説とはかけ離れた生々しくドロドロとした物語が隠されているのです。

いかがでしょうか? いかにして天の川が生まれたのか気になりますよね。

続いてこちらの作品。

怖いのが苦手な人は閲覧注意です!(言うのが遅かったですね。)

プラド美術館公式サイト,ピーテル・パウル・ルーベンス『我が子を食らうサトゥルヌス』

ギリシャ神話では、惑星と神々が結び付けられていました。

土星と結びつけられるのは、農耕の神であり時の神であるサトゥルヌスです。

そのサトゥルヌスが大釜を持つ老人の姿で表されている、バロック期の巨匠・ルーベンスが描いたこの作品。

抱き抱えられて食われている子供の形相は、今にも断末魔が聞こえてきそうなほどに恐ろしく、脳裏に焼き付いて離れません。

なぜサトゥルヌスはこのような残忍な行動に出たのでしょう?

また、これらの絵画以外にも、ルネサンスの顔とも言える名画ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』など、誰もが一度は耳にしたことのある登場人物たちと、誰もが知る名画に潜む恐ろしいエピソードの数々を目の当たりにすることができる本作。

3年前にイタリアで見たボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』
こちらの絵画にも恐怖の物語が潜んでいるのです...!

これ以上はお話しできないので、気になって仕方のない皆さまはぜひ、コニカミノルタプラネタリアTOKYOに足を運んでみてください。

まだまだ暑さの続く夏の日に、美と恐怖が織りなす身の毛もよだつプラネタリウム美術館でクールダウンしてみてはいかがですか?

撮影・編集・⽂/田村 真里佳(Roaster)


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