大学生の頃、ちょっぴり気になっていた男子が洋画好きだったんです。
その子と仲良くなりたくていろんな作品を見始めたのが海外ドラマや洋画好きになったきっかけなのですが、そんなわたしもここ数年で、作品の見方がすこし変わった気がしています。
今のわたしにとって映画を見る時間とは、純粋にストーリーや世界観を楽しむのに加えて、どれだけ共感するシーンに出合えるかを楽しむ時間にもなりつつあるのです。
フェミニズム的メッセージは映画で「気づかないうちに出合ってる」のがベスト
フェミニズムをかなり意識して作品全体でメッセージを伝えてくれる映画もあるけれど、わたしが一番アツくなるのは、メッセージをさりげなく散りばめた一見ふつうの映画。
それは「フェミニズムを知るために映画を見る」のではなく、「面白い映画を見ていたら、気づかないうちにメッセージが染み込んでた」という体験が理想的なフェミニズムとの出合い方だよな〜と思っているから。
なんでもないようなセリフに「自分の意思で決めることが大事なんだよ」「LOVE MYSELFしよう」「わたしはわたし、ただそれだけ」といったフェミニストが大切にしているメッセージを忍ばせているシーンに出合った時、「うんうん!そうだよね!!!」と強く共感して、みんなに共有したい! と思うのです。
だからこの連載の中で、少しずつシェアしていきます。
あなたにとって、おもしろくて共感できる作品に出合えますように。
自分の人生は自分で決める『ワタシが私を見つけるまで』
ニューヨークで生きる、さまざまなシングルのあり方を描いた作品。コメディ要素もあるテンポの良いアゲアゲな感じなので、仕事が早く終わった金曜日の夜に見たい映画かも。
彼氏が途絶えたことがなく、いつも男に頼ってばかりで自分1人では何もできないと思っているアリス。
助産師としてバリバリ働いていているし恋愛は興味ないと(言い聞かせて)避けてきたけど、どうしても子供は欲しいメグ。
自分に自信があるから魅力的なことは自覚済み、夜遊びでの駆け引きも全て自分の意思で楽しんでいるロビン。
この3人を中心にそれぞれの生き方や考え方の変化を見せてくれる映画なので、各々の言動に素敵ポイントがたくさんあるのですが、その中でもメグのこのセリフにかなり共感しています。
I can totally handle all this by myself.
I’m an independent women.
But I don’t want to. I don’t.
『今後もひとりでやっていける、自立した女だしね。
でもそれはイヤなの。』
『ワタシが私を見つけるまで』TM & © 2022 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
結婚するかしないか、恋人同士の会話でのセリフなのですが
これって経済的にも精神的にも自立しているからこそできる選択なんですよね。
30代になったら結婚しないとまずいとか、未婚のまま子供を持つと驚かれるとか、そういう社会の風潮に流されるのではなく、「ひとりでも生きていけるけど、私は結婚したい」という明確な自分の意思で人生を決められることって素晴らしい。
メグのこのセリフを聞いて、女や男などセクシャリティ関係なく人間である以上、経済的にも精神的にも自立して「こうするしかない、こうするものだから」じゃなくて「わたしはこうしたい」と意思を持って人生を歩みたいと、そしてそれを実現できる社会にしていきたいと強く思ったのでした。
今回の参考文献
『ワタシが私を見つけるまで(HOW TO BE SINGLE)』Warner Bros. Entertainment Inc.
編集・文/本間 綾乃(Roaster)
▼前回の記事はこちら