喫茶店で出会った、あんな味、こんな話。Vol.02 夢追い人が集まる街で

私、ロースター3年目の柳瀬にはマイルールがある。

それは、週に1回は喫茶店を訪れること(ルールというより、近ごろは行かないと禁断症状が出る)。

私が喫茶店に通う理由はたくさんあるけれど、個人的に好きなのが、店内にいるお客さんの会話に耳をすませること……。

こっちの席では、小さな子供が学校であった楽しいことをお母さんに朗らかに話しているかと思えば、あっちの席ではカップルが別れの話をしていたり。

喫茶店では他のお店よりも人生を感じる場面に遭遇することが多い気がする。そんなふうに喫茶店で出会ったハナシを、その時間を供にしたオイシイ味と一緒にご紹介。

今回訪れたのは、JR中央線沿いの夢追人が集まる街の喫茶店。

目次

プリンアラモード(803円)と

このプリンアラモードを食べに訪れたのは、アイスとパフェが大好きな友達に教えてもらったのがきっかけ。

甘いものは好きだけどそんなに量を食べられない私は、プリンアラモードのようなボリューミーなデザートを避けてきたけど、ここのは、ミニマムサイズでちょうどいい!

イチゴにキウイ、サクランボ、プリンにバニラアイスも…スイーツ界の人気者が大集合!
プリンアラモード…略してプリアラ!

保険会社は敵? 味方?

この街の喫茶店ではよく、なんらかの勧誘に遭遇する。

特に多いのが保険で、今日もとなりのバンドマンが保険会社の女性にプレゼンされている(ギターケースをもっていたから勝手にバンドマンだと推測)。

バンドマンは20代後半くらいの若者で、女性は50代後半くらいのベテランさん。

女性は慣れた口調で「いま入っておかないと後悔するに違いないわ。そういう若者をいっぱい見てきたからあなたも心配で……」とちょっとうさんくさげに話す。

なんだか味方のような敵のような? そしてこのふたりはどうやって出会ったんだろう……と考えつつ、「とりあえず今日は断った方がいいんじゃない?」と男性に念を送る私。

すると男性は「年齢を重ねてきて、保険とかも気になって今日ここに来たんですけど……やっぱり俺はロックンローラーでいたいなと思いました」と一言。

うわあ、よかった〜!

男性が断れたことに喜ぶと同時に、今回のオチが見つかったことに安堵する私でした。夢、叶えてね。

絶妙にななめがかってる絵画たち…わざとかな? 素敵。

“出勤ランチ”と“コンビニトラップ”に気をつけて!!

私と同じ20代前半くらいの女の子ふたり組。黒髪でショートカットの子と茶髪でロングヘアの子。

話を聞いていると、ふたりは社会人になって、交通の便が良いかつ比較的家賃も安いこの辺りに引っ越してきたという。私と同じ。

ふたりはとてもお利口で、家計簿アプリのようなものを一緒に開いて、どんなところにどのくらいお金を使ったかを話している。節約家なふたりだけど、喫茶店にかけるお金は惜しまないところに好感が持てる。

黒髪ショートの子がため息混じりにつぶやく。

「んー。あんまり使ってないはずなのに、思ってるより貯まらないんだよね……」。(分かる)

すると、もうひとりの茶髪ロングの子が得意げに話す。

「私、分かったの。私たちがお金を貯められないのは、“出勤ランチ”のせいだよ。」と。

彼女が毎月の出費の内訳を精査したところ、出勤時のランチによる出費が大きい割合を占めていたそう。(たしかに……私もそうかも……)

また、その子曰く、出勤時に頑張ってお弁当を持って行ったとしても、思わぬところに出費の落とし穴があるという。

彼女はそれを“コンビニトラップ”と呼んでいた。

コンビニトラップとは、お弁当を持ってきていない同僚に誘われコンビニに行くのに付き添うと「デザートくらい買って行こうかな」という気持ちになり、結局お金を使ってしまうこと、だそう。

めちゃくちゃ分かる……後々考えたらあんまり食べたくなかったりするんだよね……。

彼女たちのおかげで改めて出費を考える機会ができてよかったな。教えてくれてありがとう!

ふたりもきっと何かやりたいことや夢があって、節約してるはず。私もがんばらなきゃ。

パフェグラスを片付けるスタッフ。今度来たらパフェにしようかな。
ごちそうさまでした〜。

撮影・編集・文/柳瀬 礼(Roaster)


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