BtoB企業はSNSをどう使う?運用のやり方と7つの活用事例

SNSマーケティングというと、BtoC企業が個人の顧客に向けて行うイメージが強いかもしれません。確かにSNSの個人ユーザーは購買意欲が高い人が多く、SNSを使ったプロモーションはかなり効果的だと言えます。

ではBtoB企業だとSNSを活用できないのかというと、そういうわけでもありません。近年は企業の公式アカウントを開設したり、経営者など決裁権を持つ人が個人アカウントでビジネス向けの発信をしたりすることが増えてきているのです。

今回はBtoB企業のSNS運用方法と、実際にSNSを活用しているBtoB企業の事例7つをご紹介します。

目次

BtoB企業にもSNS運用は必要なのか?

BtoB企業の顧客は「企業」です。一つひとつの商品単価が高額だったり、長期契約だったりするため、契約してもらうためには決裁者に直接アプローチする必要があります。

一方でBtoC企業の顧客は「個人」、つまり決裁者自身です。このように比較すると「BtoC企業はSNS活用に向いているが、BtoB企業は広告運用など他の施策に力を入れるべきではないか?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

旧来はSNSはプライベート・趣味の延長線上で使う人がほとんどでしたが、現在は同じ業種・業界の人が情報交換を行なうためにも積極に活用されています。

SNSが主流のコミュニケーション手段になりつつある今、BtoB企業も新たなプロモーションツールとしてSNSを使うべき時代になっているのです。

決裁者自身がSNSを使っているのであれば、BtoB企業のSNS活用は実に有効な手段だと言えます。

またターゲット企業がインターネットやSNSとの繋がりが強い、企業のSNS公式アカウントがあるといった場合にも、SNS活用の効果は強まっていくでしょう。

BtoB企業のSNS運用のやり方

ではBtoB企業はどのようにSNSを選定し、活用していけばいいのでしょうか?

ここではSNS運用のやり方を解説します。

SNSの選び方

SNSといっても、実に多くの種類があります。BtoC向けのSNSはTwitterやInstagramなどですが、実はBtoB向けになると選択肢はさらに広まります。

  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook
  • YouTube
  • note
  • Wantedly
  • LinkedIn

特にWantedlyとLinkedInはビジネス向けに開発された、いわば「ビジネスSNS」。FacebookもBtoBととても相性の良いSNSですし、最近はnoteのビジネス活用も進んできました。

この幅広い選択肢の中から、どのSNSを使えばいいのか迷うかもしれません。そんなときは、まずSNS運用の目的を決めて候補を挙げ、そのSNSを試しに運用してみるのがおすすめです。

例えば…

集客をしたい→広告配信をしやすいFacebookやTwitter

広報活動をしたい→ブログのように使えるnote、Wantedly、LinkedIn

ブランディングをしたい→ビジュアル要素に強いInstagram、YouTube

それぞれのSNSには特有の機能が備わっていて、実際に使ってみないことには使用感や他のSNSとの違いはわかりません。SNS選びは今後の手法にもかなり大きな影響を与えるため、じっくり考えていきましょう。

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SNSの活用方法

SNSを決めたら、さっそく目的に合わせて運用していきましょう。

ただし、BtoBのSNS活用はただニュースやキャンペーンの情報を投稿するだけでは、思ったような効果は得られません。

ここでは発信(アウトプット)と受信(インプット)、2つの活用方法をご紹介します。

【発信】

  • 顧客・見込み客へのプロモーション
  • 顧客のロイヤリティ向上
  • 検索による認知度・売上の向上
  • 広告の配信

BtoB企業のSNS運用は発信がメインです。

顧客や見込み客に向けて役に立つ情報を届けたり、コミュニケーションを取ることで親近感を抱いてもらったりと、BtoCが行うような施策をBtoBでも取り入れられます。

SNSへの投稿が増えれば、ユーザーがSNS内で検索したときに自社アカウントがヒットする確率も上がります。特に指名検索をするユーザーは購入意欲が高いです。検索からプロフィールページへ、プロフィールからホームページへ誘導する導線も作っておくといいでしょう。

【受信】

  • ユーザーニーズの把握
  • 業界情勢をいち早く把握

SNSに流れる情報のスピードはとても早いです。

もしかしたら、自社製品を使ったユーザーからの口コミもすでに投稿されているかもしれません。そうした口コミからユーザーニーズを把握したり、ユーザーの本音を知ったりできるでしょう。

また、自社とライバル関係にある企業や、同じ業界内の企業・個人がSNSを使っていることもよくあります。そうしたアカウントをフォローしておけば、業界情勢や情報をいち早くキャッチできます。

SNS運用の注意点

SNS運用は長期的に続けてこそ効果が見えてくるもの。しっかり運用体制を整えるには、担当者を決めるようにしましょう。担当者が多すぎると連携を取りづらくなるため、多くても3人くらいに絞るといいですね。

またBtoC企業がときどきSNSで炎上しているのを見かけることがありますが、炎上はSNS運用をしている限りBtoB企業にも起こり得ることです。

特にターゲットは企業ですから、自社の信用を落としたくないもの。ネガティブな情報に敏感になっている企業も多いです。ネガティブな情報を発信してしまうと、炎上とまではいかなくても、貴重な顧客が離れていく可能性はあります。

運用担当者に加え、投稿内容を第三者の視点でチェックする人も配置しておくといいでしょう。

BtoB企業のSNS活用事例

どんな企業がどうやってSNSを活用しているのか気になりますよね。

ここではBtoB企業のSNS活用事例を7つご紹介します。自社に合う施策があれば、ぜひ取り入れてみてください。

【Facebook】NEC(日本電気株式会社)

大手電機メーカーのNEC(日本電気株式会社)では、自社のホームページにアップした記事をFacebook上でも紹介しています。

FacebookではページのURLを貼り付けると自動的にそのページのアイキャッチ画像が表示されるため、文字だけの投稿と比べると視認性も高くなります。

SNSを単体で運用するよりも、ホームページやオウンドメディア、または他のSNSとも連携させながら運用することで、ユーザーのメディア間の回遊を促せるでしょう。

参考:NEC(日本電気株式会社)公式Facebookアカウント

【Twitter】サイボウズ

ユーザーのニーズに合わせてさまざまなグループウェアを提供しているサイボウズ株式会社は、なんと複数のTwitterアカウントを運用しています。

メインアカウントである「サイボウズ(@cybozu)」や無料チャットツール用の「サイボウズLive(@cybozulive)」、さらにはオウンドメディア「サイボウズ式」用の「サイボウズ式 編集部(@cybozushiki)」まで!

Twitterアカウントを複数運用するのはそれなりの労力がかかるものの、しっかりと使い分けてSNSでもユーザーのニーズを満たせている事例です。

参考:

サイボウズ株式会社 公式Twitterアカウント

サイボウズLive

サイボウズ式 編集部

【Instagram】株式会社デンソー

自動車部品メーカーである株式会社デンソーは、サステナビリティにも取り組んでおりソーシャルグッドな企業だと言えます。そんなデンソーの社会活動を後押ししているのがInstagramです。

Instagramでは製品について語る代わりに、デンソーで働く人々に焦点を当てています。働く人たちの個性ある写真と共に、やりがいや将来の目標などが日本語と英語で紹介されているのです。

一人一人が輝くInstagramを見ていたら、デンソーのことをもっと好きになれそう。そんな運用事例ですね。

参考:DENSO CORPORATE 公式Instagram

【YouTube】クラウド会計ソフトfreee(freee株式会社)

クラウド型会計ソフトを提供しているfreee株式会社はYouTubeで興味深い取り組みをしています。法人や個人事業主など、まさにfreeeのターゲットであるユーザーに向けて会計の基礎知識やノウハウなどを動画で解説しているのです。

近年、YouTubeは教育系・ハウツー系コンテンツが増えてきましたが、そのほとんどが個人向け。freeeの動画も一見すると個人向けのサムネイルですが、中身はしっかりとビジネス要素が詰め込まれています。

参考:クラウド会計ソフトfreee(フリー) 公式YouTubeチャンネル

【note】株式会社ベーシック

株式会社ベーシックはすでにマーケティングに特化したオウンドメディア「ferret」を運営していますが、併せてnoteにも記事を投稿しています。

ただその内容は、より「株式会社ベーシック」という企業に焦点を当てたもの。普段心がけていることからチームマネジメントのコツ、さらにはオウンドメディアを伸ばしたノウハウまで紹介されています。

noteを使って大手企業・大手メディアの内側を見せる運用方法は、ぜひとも参考にしたいですね。

参考:ベーシックのnote

【Wantedly】株式会社クレスティア

Webコンサルティング事業を行う株式会社クレスティアはWantedlyの特性を活かし、広報・採用ツールとして利用しています。

採用において一番注意したいのはミスマッチ。スキル面もそうですが、意外とパーソナル面のミスマッチも多いです。そこでクレスティアはWantedlyに社員やインターン、社内の活動に関するストーリーを投稿し、ベンチャーマインドを持つ人材を発掘しています。

Webコンサルティング事業の業績が伸びるかどうかは「人」によるところも多いため、人材に焦点を当てるのは正しい戦略と言えるでしょう。

参考:株式会社クレスティア |Wantedly

LinkedIn】株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、実はアメリカにも進出していることをご存知でしょうか?アメリカ法人の「Mercari, Inc」は2014年に設立。世界規模で利用されているLinkedInで採用を進めています。

LinkedInなら登録者のほとんどは英語が話せますし、グローバルなSNSゆえに求める人物像ともマッチしやすいのです。そんなSNSの特徴が、株式会社メルカリのニーズに合っていたんですね。

日本ではまだまだ普及していなSNSでもいち早く導入することで、そのSNSを攻略する先駆者となり得るでしょう。

参考:Mercari, Inc. | LinkedIn

SNS運用成功のポイントは“軸”を持つこと

事例を見てみると、どの企業もしっかりと目的を定めたうえで“軸”を持った運用をしていることがわかります。

個人やBtoCのものだと思われていたSNSも、現代はBtoBに活用できる時代。これからSNSを取り入れる企業やさらにSNSを強化していきたい企業は、ぜひ“軸”を持った運用を心がけてみましょう!

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