Webサイトの運営やマーケティング活動において重要な指標のひとつであるユニークユーザーとは、どのような意味なのでしょうか。
本記事では、混同しやすい指標であるPVやセッション、アクティブユーザーなどと比べながら、ユニークユーザーについてわかりやすく解説します。
ユニークユーザー(UU)とは何か?
ユニークユーザー(UU:Unique User)とは、Webマーケティングにおいて非常に重要な指標のひとつであり、「一定の期間内にWebサイトを訪問したユーザーの数」を示します。
ユニークユーザーのカウント方法と注意点
ユニークユーザーの集計において重要なのが、そのカウント対象とカウント方法です。
ユニーク(特定の、固有の、唯一の)という名前の通り、その期間内に複数回訪問した場合であっても、同一のユーザーである場合は1UUとしてカウントします。
イベントの動員人数や観光客の数などでよく使われる「延べ人数」では、集計期間内に同一人物が複数回訪問した場合にでも別の人数としてカウントしますが、ユニークユーザーはあくまで異なる人物の場合にしかカウントしないので注意が必要です。
たとえば、3日間の集計期間内に、Aさんが3回、Bさんが2回、Cさんが4回、Webサイトへと訪問してきて、その内訳が
- 1日目:Aさん、Bさん、Cさん
- 2日目:Aさん、Cさん
- 3日目:Aさん、Bさん、Cさん(2回)
という内容だったとしましょう。
3日間の利用ユーザー数を計測する場合、延べ人数でカウントすると9人になりますが、ユニークユーザーで考えれば3人になります。
また、計測期間を1日ごとにすれば、1日目は3人、2日目は2人、3日目は3人になるわけです。
このように、期間内であれば同一人物を重複してカウントしない点が、ユニークユーザーの特徴なのです。
PVやセッションとは何が違うのか
Webマーケティングにおいては、ユニークユーザーだけを計測すれば十分なわけではありません。
同じようにWeb際との利用に関わる数として、PVやセッションという指標も用いられ、これらと組み合わせて分析することが求められます。
PVはPage Vew(ページビュー)の略であり、文字通りユーザーが閲覧したページ数を示します。
PVではユーザーによる重複は考えず、ごく単純にページが閲覧された数を計測します。
一方、セッション数はいわゆる訪問数であり、ユーザーがサイトに訪問してから離脱するまでを1回としてカウントします。
30分以内に戻ってきた場合は同じセッションになる、アクションを起こさないまま30分経過すると別セッションになる、日付をまたぐと別セッションになる、など厳密にはさまざまなルールがありますが、大まかに「何回の訪問があったかの数」と考えて差し支えありません。
アクティブユーザーとはほぼ同義
ユニークユーザーと同じような意味で用いられる言葉に「アクティブユーザー」があり、両者の違いが気になる人も多いことでしょう。
実のところ、ユニークユーザーとアクティブユーザーはほぼ同義であり、アクセス解析ツールの中でも両者はとくに区別されていません。
そのため、Webマーケティングにおいては、どちらも同じ意味の言葉として使って問題ありません。
なぜユニークユーザーの把握が重要なのか
ユニークユーザーにPV、セッションと、こうもさまざまなデータを把握する必要があるのは、いったいなぜなのでしょうか。
それはひとえに、多角的な分析を可能にするために他なりません。
Webサイトの運営において、特定の指標だけに頼ってしまっては、思い込みによる運営や、それによる失敗につながりかねない危険があります。
重要なのは、これらの指標を上手く組み合わせて分析すること。
たとえば、ユニークユーザーとセッションを組み合わせれば、ユーザーの再訪問率(リピート率)を把握することができて、そこから「サイトにどれくらいのファンがいるのか」を導くことができます。
マーケティングの効果測定に有効
また、ユーザーの行動を把握できるということは、マーケティングの効果測定も正確に行えることにつながります。
マーケティング施策の結果として、どれくらいの新規ユーザーを取り込むことができたのか、ユーザーの定着率(リピート率)はどれくらいになったのか。
これらをユニークユーザーを用いて測定できるようになるのです。
ユニークユーザーを調べる方法
一般的なUUの把握手段
実際にユニークユーザーを調べる前に、まずは一般的なユニークユーザーの把握方法を理解しておきましょう。
当然ながら、実際にユーザーの顔を確認して「同じユーザーである」と判別しているわけではありません。
ユニークユーザーの把握においては、「同じユーザーである」と特定するために、おもに「IPアドレス」「ホスト名」「Cookie」の3つのデータを利用しています。
たとえば、外出先ではスマホからデータ回線を通じてアクセスし、自宅ではパソコンから固定回線を通じてアクセスした場合、IPアドレスも機種もブラウザも異なります。
そのため、実際には同じユーザーであっても、別ユーザーとしてカウントされることになります。
Google Analyticsを活用
上記のようなデータを直接確認したり分析するのは難しいため、ユニークユーザーの把握にはGoogle Analyticsのようなアクセス解析ツールを活用しましょう。
Google Analyticsでは「ユニークユーザー」いう表現は使われず、集計期間を厳密に定めない場合には単に「オーディエンス(ユーザー)」と呼称しています。
ユニークユーザーの把握・分析には期間の設定が不可欠なので、Google Analytics上の「アクティブユーザー」をユニークユーザーと捉えて問題ありません。
また、Google Analyticsには「コホート分析」という機能があり、マーケティング施策への反応を読み取ったり、定着率を把握することも簡単にできます。
ユニークユーザーを増やすには
他のさまざまな指標と同様に、ユニークユーザーもその数を増やすことが求められます。
では、どうやってユニークユーザーを増やせば良いのでしょうか。
結論から言えば、簡単な近道はありません。
ユニークユーザー増加のために注力すべきなのは、あくまでコンテンツの充実やサイト設計の最適化、それによるユーザー体験の向上に尽きると言えます。
ユーザーが必要とする良質なコンテンツが増えれば、自ずとサイトへ訪問してくるユーザーも増えることでしょう。