オウンドメディアを「儲かるらしいから」という安易な気持ちで始めると、時間がかかるうえにコストもかかるという現実に直面します。
オウンドメディアで成果を出すためには、安定して運営する必要があるのです。
そこで本記事では、オウンドメディアを安定して運営するために押さえておきたいポイントを5つ解説します。
①運用の目的をハッキリさせる
オウンドメディアを運用する目的は何でしょうか?
もしハッキリした目的を決めずに「ブームだから」「〇〇らしいから」という理由で見切り発車していたのなら、ここで改めて目的を決めてしまいましょう。
コンセプトとターゲット
オウンドメディアのコンセプト(世界観やテーマ)はどんなもので、そのコンセプトに合ったターゲットは誰でしょうか?
コンセプトやターゲットをしっかり決めることで、オウンドメディアでのブランディングが成功しやすくなります。
オウンドメディアの目的が集客にしろ採用にしろ、ブランディングできているに越したことはありません。
以前決めた目的・コンセプト・ターゲットがあるのなら目に入りやすい場所に掲示する、チーム全体で共有するなど、いつでも再確認できる状態にしておきましょう。
KPI、KGI
オウンドメディア運用の際に設定できる指標や数字はいくらでもあります。
いくらでもあるからこそ、あれこれ設定しすぎると目的がぼやけてしまい、どの指標も中途半端になってしまうという落とし穴も。
改めてKPI、KGIを再確認し、それがオウンドメディアの目的に合ったものであるかどうか、そして最適な数値であるかどうかをチェックしましょう。
②運用体制を整える
オウンドメディアの運用体制を整えないことには、安定した運用はできません。
週に1〜2回の更新でいいなら少人数体制で足りるかもしれませんが、毎日更新、1日複数回更新をしたいなら、チーム全体で10人程度の人員が必要になる場合もあるでしょう。
コンテンツを作る人
オウンドメディアにはコンテンツが欠かせませんから、コンテンツを作る人材を確保する必要があります。
コンテンツには記事コンテンツも含まれますし、イラストや写真、動画なども立派なコンテンツです。
最低限ライターを確保しつつも、イラストレーターやフォトグラファー、動画編集者などもいるとより高品質なコンテンツが出来上がります。
社内に最適な人材がいればチームに加わってもらい、いない場合でも外注するという手段もありますよ。
記事管理をする人
1人だけで完璧な記事に仕上げられるライターは稀です。
編集者が記事を確認し、細かな調整や編集を行うことでより良い記事へと仕上げていきます。
その他、テーマ案を出す人、画像を入れる人、完成した記事の公開作業をしていく人など、より細かく作業が分担されている場合もあれば、すべて編集者が担う場合もあるでしょう。
コンテンツを作る人に加え、こういった編集者や記事管理をする人も確保しておくと安心できます。
ディレクションを行う人
最後にオウンドメディアに必ず必要な人材がディレクションを行う人、つまりディレクターです。
ディレクターはチームのトップに立って、全体を監督し、正しい方向へ導いていくことが仕事。
そのためオウンドメディアの目的やゴール、そして会社の理念などを、チームの誰よりも理解している必要があります。
責任ある立場になるため、リーダーシップや責任感のある人材をピックアップするといいでしょう。
③他のメディア資産を活用する
アーンドメディア、ペイドメディア、オウンドメディアの3つは「トリプルメディア」と呼ばれています。
どれか1つだけ運用するのではなく、3つそれぞれを運用することで効果を倍増できるのがポイント。
他のメディア資産を活用し、オウンドメディアをより強化していくとオウンドメディア運用がラクになります。
SNSからのリンク
TwitterやInstagramなどのSNSは企業がユーザーから信用を得られるアーンドメディアです。
オウンドメディアとSNSはとても相性が良いため、積極的に活用していきたいですね。
オウンドメディアで記事を更新したらSNSでシェアしたり、各ライターのSNSで自分の記事をシェアしてもらったりすることで、オウンドメディアへのアクセスを増やせます。
さらにオウンドメディアの読者が記事をシェアし、新しい読者を連れてきてくれるという「シェアがシェアを呼ぶ」という状況も作れるのです。
広告の出稿
費用はかかりますが、ペイドメディアで広告を出稿することも大きな効果を得られます。
オウンドメディアと相性が良いのは、キーワードを設定し、ユーザーが検索した際に表示されるリスティング広告。
さらに親和性の高い他メディアの広告枠を購入し、そこに掲載してもらう方法も有効でしょう。
④効果測定をして記録する
ある程度オウンドメディアを運営をしたら効果測定も必ず行いましょう。
効果測定は面倒な一面もありますが、最初に設定したKPI・KGIに近づいているとやる気も出てくるものです。
モチベーションを維持する役割もあるため、定期的な効果測定と記録をして、今まで歩んできたステップを見返すのもおすすめです。
閲覧の測定:PV数、UU数など
まずチェックしたいのは閲覧指標です。
集客も成果も、閲覧がないことには始まりません。
閲覧の測定はGoogleアナリティクスなどで次の数値を確認します。
- PV数:一定期間中、どれだけそのページが開かれたのか(重複あり)
- UU数:一定期間中、何人のユーザーが訪れたのか(重複なし)
- セッション数:1ユーザーにつき、どれだけのページを開かれたのか(重複なし)
- 滞在時間の長さの平均:1ユーザーがどれだけオウンドメディアに滞在したのか
これらの数値が低ければ、オウンドメディアへの入り口が少ない、オウンドメディアの魅力がきちんと伝わっていないなどの問題が考えられます。
これらを解消できるような改善策を考えてみましょう。
集客の測定:ダウンロード数など
次に集客指標です。
まだ商品購入には至っていないけれど、今まで“閲覧者”だったユーザーが何かしらのアクションを起こしたときにリードを獲得したとみなされます。
集客の測定は次の数値を確認しましょう。
- 資料ダウンロード件数
- お問い合わせ件数
- 見積もり件数
- 会員登録件数
- リード獲得単価
これらの数値が低い場合は多くの要因が考えられます。
ターゲットユーザーと実際に訪れているユーザーの間にギャップがあったり、もしくはユーザーがどこからお問い合わせをしたらいいのかわからないというユーザビリティの問題があったりなど。
A/Bテストを行うなどして問題を究明し、しっかりと対策を行なっていきましょう。
成果の測定:CV数など
アクセス数も多くリードも獲得しているのに、なかなか最終的なCVまで結びつかないパターンも多いです。
成果を測定するとき、CV数だけを見ていませんか?CV数の他にも測定したい数値があります。
- CV数
- 商品販売ページ(LP)のPV数・流入数
- 上記のPV数におけるCV率
オウンドメディアから商品販売ページへの流入が少ないなら、今ひとつユーザーに商品・サービスの魅力が伝わっていないかもしれません。
また販売ページへの流入はあれどCV率が低いと、何かがユーザーを思い留まらせ、購入まで踏み出せない可能性も考えられます。
こうしたボトルネックを見つけ出すことが、オウンドメディアの成果を向上させる重要なヒントになります。
⑤運用代行に依頼する
オウンドメディアの運用がどうしても滞る場合には、運用代行に外注するのもひとつの手段。
費用はかかるものの、相性の良い代行会社を見つければ費用対効果は高まるはずです。
外注費用の相場
代行会社に依頼するときにまず押さえておきたいのが外注費用の相場。
どこまで依頼するかにもよりますが、大体の相場は次のようになっています。
- オウンドメディア構築:20万円〜300万円
- オウンドメディア運用と運用支援:5〜20万円/月
- コンテンツ(記事)制作:5000円〜10万円/1記事
基本的には高いクオリティを求めればそれだけの費用が要求されます。
依頼を検討する会社を何社かピックアップし、各社の実績を見た上で見積もりを取っておくと良いでしょう。
代行会社の選び方
オウンドメディア運用の外注で最も重要なのは、代行会社選び。
企業に運用を丸ごと任せるにせよ、フリーランスにコンテンツ制作を任せるにせよ、“良い取引相手”であるに越したことはありません。
しっかり確認しておきたいのは以下の3点。
- SEOの知識や経験があるか
- 同業種での実績があるか
- その料金でどこまで対応してくれるのか
ポイントを押さえ、慎重に外注先を決めましょう。
地道な作業をしていくことがオウンドメディア運用を安定させる方法
オウンドメディアはトリプルメディアの他の2つと比べると、短期間で成果を出すことが難しいメディアです。
成果を出すためには地道な作業を継続していくことが重要。
そしてその地道な作業をコツコツしていくことが、オウンドメディア運用を安定させる方法でもあります。
目の前のことに丁寧に取り組んでいけば必ず成果を出せるでしょう。