喫茶店で出会った、あんな味、こんなハナシ。Vol.03 埼玉県の閑静な住宅街で

私、ロースター3年目の柳瀬のマイルールは、週に1回は喫茶店を訪れること(ルールというより、近ごろは行かないと禁断症状が出る)。

喫茶店に通う理由はたくさんあるけれど、個人的に好きなのが、店内にいるお客さんの会話に耳をすませること……。

こっちの席では、小さな子供が学校であった楽しいことをお母さんに朗らかに話しているかと思えば、あっちの席ではカップルが別れの話をしていたり。

んなふうに喫茶店で出会ったハナシを、その時間を供にしたオイシイ味と一緒にご紹介。

今回訪れたのは、埼玉県の閑静な住宅街にある喫茶店。

目次

マローネ(400円)と

今日のお供は「マローネ」。たっぷりのマロンクリームにマロンをのせたケーキタルト。つまりマロンタルト。とことん甘いマロンクリームが深煎りの苦いコーヒーとよく合う。

今回は東京を飛び出して、埼玉県まで喫茶遠征。久しぶりに車の運転をしたら、ちょっと危なかった…。

耳をすましてもなにも聞こえない

ブルー系カラーで統一されたステンドグラス。モチーフになっている植物はアイビーかな?

喫茶店で耳をすませようと思ったのに、おひとりさまが多い静かな喫茶店に来てしまった。隣に人が座ったかと思えば、読書をしたり、ただぼーっとしていたり。それが正しい喫茶店の過ごし方だとは思うのだけど、原稿が書けないなあ……としょんぼり。

なので今回は私もひとり、ただぼーっとすることに。

全身緑ジャージの男とパフェ

今日はあきらめて店を出ようと思ったら、となりの席にガタイがいい、全身真緑のジャージを着た男性がやってきた。

席を立ちかけていたけど、面白そうなニオイがしたので、もう一度腰をかける。

緑ジャージの男性は、コーヒーとチョコレートパフェを注文。

その男性は店内のクラシックな雰囲気とちょっぴりアンマッチだけど、そこが何だか愛おしい。「映える」とかそういう感情はなく、なんとなくずっとここに通っているんだろうな……(勝手な推測)。

コーヒーとパフェが男性の席に到着。すると男性は取り皿を頼み、パフェを半分に取り分けはじめた。不思議な食べ方をするなと見ていたら、男性のもとに「おまたせしました、お久しぶりです!」と綺麗な女性がやってきた。

パフェを分け合うふたり。

パフェを食べて5分ほど話したら、女性はすぐに帰った。恋人でも友達でもなさそうなふたり。初対面ではないけど、親しくもなさそう。不思議すぎる……! 男性は少し寂しそう。片思いなのかな。今回ばかりは推測が難しい……

よくわからないけどなんだかそっとしておくことにした。

ごちそうさまでした。今度は学生街とか繁華街とか賑やかな街の喫茶店に行ってみようかな。

撮影・編集・文/柳瀬 礼(Roaster)


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