企業ブログをはじめとして、CMSを用いたブログ形式のWebサイトにおいては「リライト」という手法が欠かせません。
一方で、ブログのリライトといっても具体的に何をすれば良いのかわからない人も少なくないでしょう。
そこで今回は、ブログのリライトについて解説。リライトで得られる効果といった基礎知識から具体的な手法、リライトで効果を出すために押さえておくべきポイントなどもご紹介します。
ブログのリライトとは
リライト(Rewrite:書き換える、書き直す)の意味の通り、ブログのリライトとは既存のブログ記事の内容を書き換えることを指しています。
この際に注意したいのが、あくまで「コンテンツ内容」の書き換えであるという点。
単にテキストを編集したり、文章を校正・校閲するのとは異なり、コンテンツの内容や構成そのものを見直して修正するのがリライトなのです。
リライトによって期待できる効果
では、なぜブログのリライトが必要になるのでしょうか。
リライトの背景には、既存ページへの集客を増やしたり、CVR(コンバージョン率)を改善したりという狙いがあります。
もちろん新規コンテンツの追加も大切ですが、リライトの場合、既存コンテンツにテコ入れすることでこうした効果を狙いやすくなるのです。
効率や費用対効果の高さからもリライトは重要と言えるでしょう。
一方で、リライトは必ずしも良い効果につながるとは限りません。
たとえば、SEO対策に力を入れたリライトを実施しても、検索順位が改善されずにむしろ下がってしまうこともあり得ます。
そうしたマイナス効果を防ぐためにも、しっかりとポイントを押さえたブログのリライトを心がけるようにしましょう。
ブログのリライトを成功させる3つのポイント
ブログのリライトにあたっては、具体的な書き換え手法や手順の前に、何のために実施するのか、どこを目指すのかといった大枠を考えることが重要です。
ポイント①対象選定と目標設定
ブログの特徴のひとつに、記事の継続的な追加・更新という点が挙げられます。
つまり、リライトを考える時点で、ブログには多くの記事がストックされているのが一般的です。
それら多くの記事を対象に、闇雲にリライトを実施しても望むような効果は得られません。
むしろ、記事によっては元々持っていたアドバンテージを失うことにも成りかねません。
そのため、まず第一に考えるべきは「どの記事を対象にリライトを実施するのか」という選定になります。
狙い目は検索結果11位〜30位程度の記事
リライトでもっとも効果を出しやすいのは、検索結果でそこそこ上位には入っているものの、SERPs(検索結果ページ)の1ページ目には届かないくらいの位置にある記事。
具体的には11位から30位程度、つまりSERPsで2ページ目から3ページ目くらいの記事をリライト対象にして、対象キーワードでの検索結果において10位以内を目指すのがおすすめです。
というもの、SERPsにおけるCTR(クリック率)は大きく順位の影響を受け、2ページ目以降にもなると流入数がグッと減ってしまうからです。
すでに10位以内ならば下手に手を入れると逆効果になりかねないし、逆にあまりにも順位が低すぎる場合はリライトの負担も大きくなってしまいます。
だからこそ、リライトでテコ入れすることにより1ページ目も目指しやすい、11位から30位程度の記事が適しているのです。
現在の検索順位をチェックする場合は、「GRC」のようなツールを活用しましょう。
また、CTRは「Google Search Console」で確認することができます。
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ポイント②ユーザーファーストのコンテンツ修正
対象となる記事を決めたら実際のリライトに取りかかりますが、この際の基本方針としては必ず「ユーザーファースト」を意識するようにしましょう。
Googleはユーザーファーストを掲げ、ユーザーの役に立ち、ユーザーが検索行動に満足するようなコンテンツを高く評価します。
つまり、検索結果で上位を目指すためには、小手先のテクニックよりも「いかにユーザーに必要とされる有用なコンテンツにするか」が重要なのです。
順位やPV、CTRといった数値を見ているとつい忘れがちなことなので、この点は常に自身に言い聞かせるように気をつけましょう。
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ポイント③効果測定とPDCA
これはブログのリライトに限らずWeb運営全般に共通することですが、施策(この場合はリライト)の結果としてどのような変化が生じたのか、目標の達成具合はどのくらいかなど、効果測定と改善というPDCAも欠かさないようにします。
ただし、自然検索の順位は短期間で劇的に変化するものではありません。
目先の小さな変化に振り回されず、数か月程度の長いスパンで判断するようにしましょう。
具体的なブログのリライト手法とステップ
ブログのリライトにおいてもっとも重要なのは、先述した3つのポイントになります。
その上で、具体的なリライト手法や手順についても見ていきましょう。
とは言え、リライトだからと言ってそれほど特別なことをするわけではありません。
基本的には、通常のSEO対策やコンテンツSEOと同じ考え方で進めることになります。
ユーザーファーストを実現するためのインテント把握
ブログのリライトにおける基本方針となるユーザーファースト。
その実現のためには、ユーザーが何を求め、どのような意図で検索をしているかというインテント(検索意図)を把握することが不可欠です。
自分が書きたいこと・伝えたいことも確かに重要ですが、それ以上に「ユーザーは何を必要としているのか」を正確に押さえ、それに応えることが大切なのです。
競合上位サイトの調査
検索結果で上位に表示されるページは、Googleによって「ユーザーの役に立つコンテンツ」と評価されていることを意味します。
そのため、競合となる上位サイトのコンテンツをよく調べることで、ユーザーが何を求めているのか、自身のコンテンツに足りない要素は何かといった点が見えてきます。
サジェストワードや関連キーワードの調査
また、検索キーワードそのものだけでなく、サジェストワードや関連キーワードについても調査しましょう。
これらのワードにはユーザーの検索意図が多分に反映されているため、コンテンツに反映することで、より多くのユーザーにアプローチできるようになります。
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構成やタイトル・見出しから着手する
新規作成と同様にリライトにおいても、細部ではなく大枠・骨子からコンテンツの書き換えを進めていきましょう。
検索意図の調査を通じて、盛り込むべき要素・削除すべき要素が明確になったら、まずはそれを元に全体の構成を再検討します。
続いて、SERPsにおいてCTRにもっとも効果的な「タイトル」や、SEOに効果の大きい「見出し」などを決めていきます。
実のところ、もっとも重要なのはここまでの作業であり、リライトが成功するかどうかの大半は構成の善し悪しにかかっていると言えるでしょう。
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情報のオリジナリティや信頼性も重視
リライトにあたっては、Googleが「高品質なコンテンツ」と評価する要素である「E-A-T」にも注意を払うようにしましょう。
E-A-Tとは
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
の頭文字をつなげたものであり、リライトにおいてはとくに下記に注力したいところです。
- 専門家ならではのオリジナリティ性の高い情報
- オリジナル情報の信頼性を担保する調査データや出典など
けっして簡単な内容ではありませんが、このような「ユーザーに必要とされ、ユーザーの役に立つ」コンテンツを提供することこそが肝要なのです。
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更新日付で情報の鮮度を訴求
最後に、ブログのリライトならではの対策として、コンテンツを更新した日付をしっかりと訴求します。
CMSを利用したブログ形式のサイトの場合、コンテンツの公開日付や更新日付をシステム上で指定できます。
こうしたシステム上での対応に加えて、コンテンツ内にも更新日付を明記して、情報が新鮮であることをアピールしましょう。
インターネット上の情報には変化が激しいものも多いため、情報の鮮度の高さはユーザーにとっても重視するポイントのひとつなのです。
たとえば、上記のオリジナル情報や調査データなどは、一般的に新鮮なほどより多くのユーザーに望まれやすくなります。
これらの手法はそれぞれが独立したものではなく、すべてが互いに関連したものなので、一連のステップとして進めていくようにしましょう。