ゼロからのオウンドメディア運営マニュアル完全版|サイト制作からSEO対策まで徹底解説

当サイトEDiT.は、元々雑誌を中心に手がける編集プロダクションの株式会社ロースターが立ち上げたオウンドメディアです。

現在は、雑誌の編集からWEB制作やコンテンツ作成も数多く手がける「編集のプロ」である我々が、オウンドメディアをゼロから立ち上げる中で培った技術やノウハウを発信するために立ち上げました。

このページでは、私たちがWEBでオウンドメディアを展開するにあたって行ってきたサイト制作やSEO対策の施策等をご紹介していきます。

目次

ロースターがオウンドメディア運営を始めた理由

制作会社として仕事をしているロースターですが、ウェブメディアなどのクライアントワークにおいて「企画屋」というイメージがつきやすいことが悩みでした。

クライアントワークを他人事のようなスタンスではなく自分事として、よりクライアントに寄り添った仕事をするためには「企画力」だけじゃなく、「運営力」も身に付 けたい。

そんな思いから自社でオウンドメディアを立ち上げ、運営を始めることになりました。

1年で10万PVを達成

そして立ち上げから1年で10万PVを達成しました。

決して圧倒的なスピードやアクセス数ではありませんが、リソースが限られている状態でのゼロからのスタートでも結果を残せる自信が付きました。

オウンドメディア運営では、アクセス数がある程度つくまでに半年ほどかかるケースも珍しくありません。

そして、中々検索順位も上がらない状態では現状の施策が正しいのか、間違っているのかわからず、結局何も手応えを掴めないままフェードアウトしてしまうといったケースもよく耳にします。

頓挫しやすい立ち上げ初期〜中期に役立つ情報を共有します

このページでは、オウンドメディアの立ち上げ段階でやるべきことや、結果が出ない段階でどの指標を見ながら今の施策のパフォーマンスを判断するのかなど、特にメディアの立ち上げ初期段階で参考にしていただける情報を盛り込んでいます。

オウンドメディア運営に課題・悩みのあったロースターがリアルにお伝えする、オウンドメディアの運営マニュアルです。

オウンドメディア運営のために最初に行ったこと

メディア運営における知識が全くなかった私たちが、オウンドメディア立ち上げに必要な環境を整えるために、どんなことから始めたのか。順を追ってご紹介します。

メディアを立ち上げるためのCMS選び

CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略称。専門的な知識が無くても、WEBサイトやコンテンツを運営することのできるシステムのことです。CMSの詳細については以下記事をご参照いただくと、よりイメージがつきやすいと思います。

参考記事:「CMSとは?Webサイト構築・運用における導入メリットと選定ポイント

ECやネットショッピングに適したCMSや、大規模なマーケティングを行うのに適したCMSなどがありますので、目的と用途、規模感に合わせて選びます。

私たちが選んだCMS『WordPress(ワードプレス)』について

WordPress自体は無料で利用できることに加え、デザインテンプレート(テーマ)や様々な便利機能が手軽に使えるようになるプラグインも豊富。個人や中小企業など、小規模な環境での導入もしやすいのが特徴です。

使用するCMSが決まったら、次はテーマ選び。以下の記事でもご紹介している通り、CMSのテーマにはいろいろなものがあります。

参考記事:「初心者でも使いやすい、シンプルなワードプレステーマ【おすすめ10選】

その中で私たちが使っているのは「SWELL」というテーマ。

SWELL」はシンプルで洗練されたデザインと、充実した機能性が備わっている、WordPressで人気の有料テーマです。記事執筆やコンテンツ制作をサポートしてくれる機能が用意されているので、オウンドメディア制作にはおすすめ。

購入・ダウンロードは、SWELLの制作者さんが運営しているSWELL公式サイトのダウンロードページから可能です。

コンテンツ制作のフロー

WEBメディアを立ち上げるのは簡単で、大きな費用もかかりません。

しかし、継続的にコンテンツを発信してSEOやSNSでの集客を狙おうとすると、やるべきことは膨大かつ際限がありません。

それでも、一定のフローを設けて更新していく体制を整えることで、安定したアクセスアップが狙えるメディア運営が可能になります。

ここからは、実際にロースターが10万PVを達成するまでに実施した施策を順を追ってご紹介していきます。

①キーワードを決める

世の中において、私たちと同じように働く人々がどんな情報を必要としていて、どんな検索をしているのかを想像してキーワードを探していきます。

例えば、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛が推奨されている今(2021年10月現在)、働く人々がどんな情報を必要としているのかを想像してみると、「テレワーク」「在宅勤務」「在宅ワーク」などのキーワードを挙げることができます。

私たちは以下の手順でキーワードを決めています。

メディアのコンセプトを決める

まず最初に、あなたのメディアにおいて、どんな記事を書くのかを決定します。ここが一番重要なポイント。

誰に向けてどんな情報を届け たいのかをしっかりと考えてコンセプトメイクをしましょう。

マインドマップで視野を広げる

記事のテーマを決めたら、一つのワードからどんな言葉が関連するのかリストアップしてみましょう。その時に便利なのがマインドマップ。

一つのキーワードから連想される言葉をブランチでつなげて一つのマップを作っていきます。

キーワードを整理する

例えば、あなたが肩こりに悩んでいたら「肩こり 治し方」と検索することがあるでしょう。

「対策キーワード」とはユーザーが検索するときに入力 する言葉のこと。作成したマインドマップを基に、コンテンツに合った 対策ワードを決めていきます。

キーワードごとのニーズを調べる

キーワードを整理して決定した対策ワードを深く掘り下げていきます。

そのワードを検索している人が、どんな人なのか、どんな状況下にいて、どんな情報を欲しているのかを想像しながらニーズを調べていきます。

②記事の構成をつくる

キーワードを決めたら、次に行うのは構成をつくること。ロースターでは「構成メモ」という独自のメモを用いて、どんな記事にしていくのかをメモにまとめていきます。

構成メモの前半では、 決定したキーワードの検索意図を想像し、他のサイトの競合記事はどんな特徴があるのかを分析。記事の本文を作成していくために、構成をつくるフェーズはとても重要です。

▼実際の構成メモのサンプル

▼上記の構成を元に作成した記事

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「テレワーク だらける」で検索2位(2021年12月現在)

検索意図を考える

例に挙げた「テレワーク だらける」というキーワードは、テレワークでだらけてしまって集中力が上がらず悩んでいる人が検索すると推測できます。

また、管理職・経営者がテレワークを導入するとだらける人が出てしまうのではないかと懸念している、あるいはそうした事態が発生して対処方法を探している可能性が考えられるでしょう。

それらの悩みに寄り添って解決策を具体的に提示するためには、「このキーワードで検索する人はどんな情報が欲しいのか」という検索意図をしっかり考えることが重要です。

競合を分析する

競合分析とは、設定した対策ワードで実際に検索したときに表示される人気記事を読み、どんな内容なのかを調べること。

人気記事に共通して必ず入っている内容は何か、どの記事にも入っていない内容はどんなものかを分析し、まとめていきます。

人気記事に入っている内容は漏れなく組み込みながらも、この記事でしかわからないオリジナルポイントを入れていくのが人気記事にするコツ。

ラッコツールズが提供している「見出し(hタグ)抽出」のツールを使うと、その検索キーワードで上位表示されている記事の見出しを一挙に確認できるので、こうしたツールもぜひ役立てて、体系的かつ効率的に競合分析を進めましょう。

ラッコツールズ
見出し(hタグ)抽出:競合サイトの見出し(キーワード)を調べてSEO対策 | ラッコツールズ🔧 競合調査やコンテンツの参考に、指定したキーワードの検索上位ページの文字数・TITLE・記事内の見出しを一括抽出できます。上位ページだけでなく、確認したいページのURL指...

③目次を決める

目次は、本文をスムーズに読みやすくするために欠かせないもの。

大見出し、中見出し、小見出しなどの目次で記事を読みやすく整理します。

記事を書くより先に目次を決めていくことで、スムーズに原稿を書き進めていくことができます。

(ロースターでは、 大見出しを「h2」中見出しを「h3」小見出しを「h4」として見出しの級数をあらかじめ設定しています)

見出しの具体的な設定方法

見出しは記事への導入となる大切な要素の一つ。ここで、見出しを作るときにロースターが大切にしているポイントを説明します。

テーマによって、 誰にどうやって伝えるかを明確にする

記事のターゲットを明確にして、そのターゲットに合った見出しにします。例えば、「ワードプ レスを使ってみた」という記事の場合は、ワードプレス初心者に向けているということが明ら かになるような見出しに。

複雑な専門知識を説明している記事の場合は、ある程度の知識を持ったユーザーに向けた内容であることが明確にわかるような見出しにするのが良いでしょう。

見出しを見ただけで本文も読みたくなるようにする

記事の中で、読み手にとって有益な魅力を見つけ、その内容を見出しで伝えます。

  • 数字
    お問い合わせボタンの色を変えるだけでCVRが20%向上
    反響数が15倍になったダイレクトメールの書き方
  • 人物、企業の名前
    IKKOが実践する乳液の正しい使い方
    スターバックスが取り入れている人材教育方法
  • 注意喚起
    日本人の8割が知らずに損している還付金の知識
    お風呂上がりにすぐ化粧水は間違い!正しいスキンケアの方法とは

特に上記のような要素は、トピックが明確になり、読者が本文も読んで情報を得たいと思わせるために積極的に利用していきましょう。

ポイントごとに分けて、短くわかりやすく伝える

「読者が探している情報にアクセスしやすい」記事を作るには、見出しでポイントごとに分けることを心がけましょう。

大見出し・中見出し・小見出しを区別することで、整理しながらわかりやすく伝えます。

見出しを決める上でのチェックポイント

□この記事を読んだら読者にどんなメリットがあるのかを伝えられているか

□伝えたいことを手短にシンプルに伝えられているか

□斬新な表現でユーザーの注意を引きつけられているか

□きちんと記事の内容に沿った見出しになっているか

□ユーザーの好奇心を喚起して、記事に誘導できているか

□ターゲットをしっかりと狙った見出しになっているか

④記事の本文を書く

目次と見出しを決めたら、記事となる本文を書きます。本文を書く時に大事なポイントを確認していきましょう。

1.読み手を第一に考えた文章にすること

この記事を読むユーザーは元々どんな知識を持っているのか、ユーザーにとって新しい情報、メリットのあ る情報は伝わっているかなど、ユーザーの心を想像して文章を書きます。

「あなた」や「私たち」という語を使って呼びかけるだけでも、グッとユーザー目線の文章に近づくのです。

2.他の競合記事との差別化を図ること

競合の記事には載っていない情報や、ほとんど知られていないような情報を掲載することで、他の記事との違いを作り出します。

また、すでに知られている情報でも、他ではあまり強調されていない部分を強調したり、競合と異なった切り口で紹介するなどの工夫を心がけましょう。

3.内容は省略せず、一文を短くすること

主語や目的語を省略してしまうと、文章の意味が伝わりにくくなってしまいます。そのため、「何(誰)が」「何(誰)を」「何(誰)に」を明確にして具体的に説明します。

また、つらつらと文章を続けるのではなく、句読点で区切り、読み手がスムーズに読める文章にします。

本文を書く上でのチェックポイント

□見出しで書いたことが、本文で具体的に述べられているか

□文章は読みやすいか

□間違った情報を述べていないか

□ユーザーにとって有益な情報が入っているか

□本文がコンパクトにまとめられているか

□ユーザーに寄り添った文章になっているか

□本文が順序立っていて、スムーズに読める構成になっているか

□ユーザーにネクストアクションを与えられる内容になっているか

ポイントを意識すると、どのくらいの違いがあるの?

Before

株式会社ロースターは、紙媒体・ウェブ記事の編集やオウンドメディア運営を行うメデ ィア・コンテンツ制作会社です。紙媒体は雑誌からフリーペーパー、商品カタログまで、ウェブコンテンツはウェブマガジン、オウンドメディア、 SNSを使った集客施策まで、幅広く行います。

Beforeの文章では、文章が長く、読み手を無視して、伝えたいこと一方的に羅列しているような印象。これでは、ユーザーにどんなことを伝えたいのか、どんなアクションを起こして欲しいのかが明確に伝わりません。

After

株式会社ロースターは、あなたのコンテンツ制作を全力でお手伝いします。雑誌やカタログなどの紙媒体から、ウェブマガジンやオウンドメディア運営、SNS施策などのウェブコンテンツまで。引きのある企画力と、魅力を最大限に引き出すビジュアル作りが 私たちの最大の魅力。難しいコンテンツ制作に頭を抱える必要はもうありません。

「あなた」や「私たち」という言葉で説明するだけで、読み手に目線を合わせた文章になっています。

また、句読点を使って文章を短く区切ることにより、読みやすくなり、内容が読み手の頭 にスムーズに入っていきます。

ロースターにしかない魅力を伝えることで、オリジナリティを出しているのもポイントです。

【+α:状況を把握】記事のパフォーマンスを確認する

オウンドメディアに記事を公開したら、その記事がどんなキーワードで何位にランクインしていて、どのくらいの人に読まれているのかなど、それぞれの記事の経過を確認しています。

どんな風に経過をチェックしているのか、私たちが実際に行っている方法をご紹介します。

検索順位のチェック(GRC)

EDiTの記事が、Google検索でどのくらいの順位に表示されているのかを確認します。

検索順位のチェックはGoogleのサーチコンソールでも可能ですが、100位(10ページ目)まで順位チェックできるGRCなどの検索順位チェック専用ツールを使うと、アクセスが発生しない段階でもパフォーマンスが確認できるので運営開始初期〜中期は特に便利です。

Google Search Console

「検索パフォーマンス」から、実際のユーザーがどんなキーワードで検索してサイトに訪れたかを確認します。

Google Analytics

毎日のPV数や直帰率、ユーザーがどのくらいの時間その記事に滞在しているかなどを確認します。

【+α:ブラッシュアップ】リライトをする

リライトとは、すでに公開している記事をより良いコンテンツに育てるために、修正して書き直したり、新しいトピックを追加したりする作業のこと。

リライトでユーザーが欲している情報にさらにアクセスしやすい状態にして、検索順位やアクセス数のアップを狙います。

ロースターのリライト方法

1. リライトする記事を選ぶ

その記事にリライトするべき可能性に満ち溢れている記事であるのかを考え、リライトする記事に優先順位をつけます。

GRCやサーチコンソールで検索順位を確認。

順位が5~15位程度の記事をさらに上位に押し上げる狙いで、リライトする記事を選択しています。

2. リライト方法を決める

その記事をどんな風にリライトするのかを決めていきます。

リライトの指針はサーチコンソールをもとに決定。

「検索パフォーマン ス」から、実際のユーザーがどういうキーワードで検索してその記事にアクセスしたのかを確認しています。

3. リライト後の記事の伸びを確認する

公開して2週間~1ヶ月は記事の順位変動やアクセス数の推移をウォッチング。

リライト後のアクセス数の伸びがあまり良くない場合は、他のリライト方法を考えていきます。

リライトは一回で終わりではなく、何度もアップデートを重ねることを前提に、細かい修正から大幅な改変まで、日々作業しています。

リライトで追記する要素

1.情報の正確性をアップデートする

時期と共に変わる情報もたくさんあります。新しい情報を入れることで、常に記事の情報をアップデートしていきます。

2.総合優位性を高める

他の競合記事に劣ってる部分がないかを確認し、足りない情報をプラスしていきます。

3.ギャップを埋める

その記事が本当に検索ユーザーのためになっているかを再確認します。

検索キーワードを確認し、どんな状況のユーザーがそのキーワードを検索しているのかを考え、そのユーザーが本当に 必要としている情報をプラスしていきます。

場合によっては、既にあるトピックを削除してニーズの大きい部分のみに内容を絞り込むケースもあります。

4.デザイン性を担保する

キーワードによってターゲットも異なるため、そのターゲットに合った構成にします。

読みづらい文章や見た目になっていないかなどを再確認し、修正します。

オウンドメディアを企画・制作・運営してみましょう!

以上がロースターが実践しているオウンドメディアづくりのノウハウです。

企画〜運営まで、さまざまな視点から見つめること、そしていつでも改善できることが、webの強み。

だからこそ、まずは気軽に実践してみてください!そしていつでもこのマニュアルを見返して、より素敵なサイト作りに役立ててください。

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