「文章を書くのが苦手」を克服して文章を好きになる方法

文章を書く機会はいくらでもやってきます。学生の頃から読書感想文、小論文、レポート……と書いてきて、社会人になってもビジネス文書、ビジネスメールなどを書いていますよね。

それにもかかわらず、「文章を書くのが苦手」「文章作成がストレス」という大人は多いです。

しかし、文章力は仕事の評価や人とのコミュニケーションの円滑さを左右するもの。文章を書けるか書けないかでいえば、誰だって書けた方がいいですよね。

今回は文章を書くのが苦手な原因と克服方法をご紹介します。文章に向き合えば、文章を書くことが楽しく、好きになる日もやってくるはずです。

目次

小学生と大人、作文が苦手なのはどっち?

小学生の文章は大人の文章と比べると稚拙です。しかし、大人の文章はそれなりに整っているのにもかかわらず、「作文が苦手」だと感じるのは大人の方が多いのです。

小学生は文章が「上手いか・下手か」を気にせず書いています。学校等で文章に触れる機会も多く、教師からフィードバックをもらえますから、自分の思うままに書いているのです。

大人になってから文章を書く機会は仕事くらいしかないでしょう。仕事だからこそ「上手く書かなくては」と気負うものの、新卒を過ぎれば誰からもフィードバックをもらえなくなります。

「文章を書くのが苦手」だと感じるのは、そもそも「苦手」を克服するチャンス(=フィードバック)が少ないからだと言えます。

文章を書くのが苦手な理由

それでは、文章を書くのが苦手な原因をもっと深掘りしていきましょう。

文章に対する“良い体験”がなくて怖い

文章を書くのが苦手な人は、文章に対する“良い体験”、つまり他人から褒められたり、文章で成功したりした経験がない人が多いです。

むしろ過去に書いた文章を否定されたり、または書いて公開しても全然反応がなかったりして、「文章を書くこと」に不安を抱いています。

逆にいえば、文章に対して“良い体験”が1つでもあると文章を書くのが楽しくなります。筆者の場合は、中学生の頃の作文がコンクールの佳作に選ばれたことが大きな転機になりました。

入賞でもなく選外佳作でしたが、過去に褒められたことで、今もこうして文章を書いています。

文章を書く準備が整っていない

そもそも、文章を書くための準備が整っていないことが苦手意識につながっている可能性もあります。

文章を書くためには題材が必要です。頭の中の思想や、自分の経験、知識、価値観などを言葉に起こして文章を書いていきます。

しかし、頭の中が散らかっていて、他人に伝えられるような経験や知識すらない場合だと、何をどう書けばいいのかがわかりません。考えがまとまらないと文章が書けないのです。

そんな人は、まずは読書を習慣にして、言葉遣いやリズム、文章の展開をインプットするのが効果的です。

そして、読んだ文章の要約を行い、他人の言葉を咀嚼して自分の言葉としてアウトプットする練習をしましょう。

地道に繰り返すことで、文章を書く力が育っていきます。

思った通りに言葉が出てこない

頭の中にある題材が明確でも、思い通りに言葉が出てこないという不思議な現象が起きます。この現象は初心者に限らず、プロのライターでも起こり得ます。いわゆる「スランプ」と言われる状態です。

そしてプロのライターであっても、一度スランプに陥ると「本当は文章を書くのが苦手なのではないか?」と疑心暗鬼になることも。

なんとか言葉を絞り出して文章を書き上げたとしても、当初のイメージ通りになることは少ないです。そんな経験が積み重なることで、苦手意識を持ち始めてしまいます。

そもそも「文章を考える」のが面倒くさい

何か文章を書こうとすると、緊急停止ボタンが押されたかのように思考停止になることはありませんか?そもそも文章を考えることすら面倒くさい「文章アレルギー」の人もいるでしょう。

面倒くさいと感じるのは、文章の自由度の高さに原因があります。自由だからこそ好きに書けますが、これといった正解はないため、文章を考えることを投げ出したくなるのです。

自由とは言っても、日本語的な正しさやビジネスの定形文などある程度のルールは決まっています。自分の中でルールや型を決めてみると、スムーズに文章が書けるようになるかもしれません。

「文章を書くのが苦手」を克服する3ステップ

文章を書くのが苦手な人でも、克服する方法はあります。ここでは、苦手意識を克服し、書くことが好きになるための方法を3ステップで解説しましょう。

①心を動かされる本を読む

逆に「文章を書くのが得意」という人は、本をたくさん読む人がほとんどです。本が出版されるまでにはプロの編集者の手が加えられ、どんな乱雑な文章でもきれいに整えられます。これは、Web上の文章にはない本の強みとも言えるでしょう。

本をたくさん読むことで手入れされた文章に触れ、型や表現方法を吸収しつつ、言葉によって心を動かされる。そんな経験が、「文章が好き」という感情につながります。

文章を書くのが苦手な人は、まずは自分が心動かされる本を読みましょう。好きな作家を1人見つけてみてください。

②毎日1000文字の文章を書く

料理が苦手な人がその苦手意識を克服するには、毎日料理するしかありません。日々料理を繰り返すことでしか、料理の腕は上達しないからです。

文章も同じで、毎日書き続けなければ苦手意識を克服できません。ブログでも日記でも、毎日1000文字の文章を書くことを習慣にしてみましょう。

いきなり1000文字書けない人は、500、700、900と増やしていってもOK。文章を読んで、書く、読んで、書くと繰り返してみてください。

文章が苦手な人の書き方は大きく分けて2つ。

  • 型・構成を決めてから書く
  • 思いついたままに書く

世の中には「ルールがあると窮屈な人」と「ルール(軸)があった方が気が楽な人」の2通りおり、これは文章の書き方にもよく当てはまります。

より良い文章を書くなら前者を目指すのが理想的ですが、とりあえず苦手を克服する目的なら後者でもかまいません。自分に合った書き方をしましょう。

型・構成を決めてから書く

文章の型は「起承転結型(起きたことを順番に書く)」と「PREP型(結論から先に書く)」の2つが主流です。それぞれの書き方は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考:文章にストーリー性を持たせる起承転結の書き方|論文やプレゼン資料にも活用可能

参考:【Webライティング入門】書く仕事の始め方と基本の書き方・テクニック

また、書きたい内容の要素だけを取り出し、先に構成を作っておくのもおすすめ。構成はいわゆる文章の骨組みのですので、構成が決まっていればあとは肉付けするように文章を書いていくだけです。構成の作り方もぜひ学んでみましょう。

参考:【Webライターの基本】記事構成案の作り方を4ステップで解説

思いついたままに書く

ルールがあると苦痛に感じる人は、とにかく思いついたままに書いてみてください。上手な文章を目指すのではなく、「言葉を紡ぎ出すこと」を意識しましょう。

また自由に書いてみるといろいろな発見があるはずです。

『文章の書き出しや最後の締めが苦手だな』
『事実を述べるのは得意だな』
『この表現や言葉をよく使っているな』

これらの発見は、文章を書かなければ気付かなかったことですよね。

③誰かに読んでもらう

文章を書いて終わり、では成長できません。文章を書いたら、誰かに読んでもらい、定期的にフィードバックをもらいましょう。

時として、それは厳しいフィードバックに感じるかもしれません。しかしフィードバックをもとに再び文章を書いてみると、自分の文章力が上達していることに気付くはずです。

文章を書いていて成長を感じるときは、

  • 自然と言葉が出てきてスラスラ書けるようになったとき
  • 過去に指摘されたポイントを改善できたとき
  • 他人に褒められたとき

が多いですよね。この成長を自分自身で感じることが、「文章を書くのが苦手」を克服する最も重要なポイントなのです。

【番外編】次の日に自分で読み返す

フィードバックをくれそうな人が身近にいない場合や他人に頼みづらい場合には、次の日に自分で読み返し、自分でフィードバックをするといいでしょう。

書いた当日に読むと自分の頭の中に「書いた記憶」が残っていますから、客観的に読むのは難しいです。一方で次の日だと客観的に文章を読めるようになるため、適切なフィードバックができます。

また、ステップ1で読んだ文章をもとに、自分が理想とする文章と今の自分の文章を見比べてみるのも上達につながります。

フィードバックをもらい成長の瞬間を感じることで「書くこと」が好きになる

文章を書くのが苦手だと感じる最大の原因は、文章を書いて成功・成長した体験がないから。それなら、自分でその体験を作り出してしまえば良いのです。

文章を書いて誰かにフィードバックをもらい、自分が成長した瞬間を自分で感じる。そうすると、「文章を書くのって楽しい!」と思えるようになるでしょう。

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